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トリシェECB総裁に関するブルームバーグの特集

2009年08月22日05時46分 / 提供:ニュースブロガー

ニュースブロガー

EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

Trichet Proving Prophet-Making No Panacea in Elusive Recovery





こういう記事を日本語にしてくれたらブルームバーグ・オンラインが有料でも購読しますが,テレビも日本から撤退するようでは無理でしょうね。
私もパラグラフごとに少しずつ読む程度のものです。(それも本質関係ないところを中心に…)
■ トリシェ総裁のデスクはL字型だった
■ ECBエグゼクティブのために6列のハンドセットがオフィスにある
■ 部屋の反対側には,古めかしい欧州地図の下にもしものときに使う衛星電話もある
2003年に就任してから6年にもなるのですね。欧州16か国をまとめるのは尋常なことではありません。全てがコミュニケーションで解決するしかないので,アラン・グリーンスパン前FRB議長のような絶対権力ではなく,それだけ力が削がれてるともいえます。
2007年の夏の危機のときに無制限の資金貸付を発表したときには絶賛の嵐でしたが,逆に利下げや大規模な資産買取プログラムの実行に関しては,他の中央銀行の決定より遅れてしまったので今度は大いに叩かれました。あまり大胆な政策は議論が続いて紛糾するかもしれないので難しい舵取りです。
EU諸国は保険会社・投資銀行を含む金融機関監視のための新たな機関の設置に賛成していますが,いわゆる総論賛成・各論反対なのでしょう。いっこうに議論が深まりません。それどころか6月のブリュッセルの会議では,英国主導でその国のローカルルールでECBの提案を反故にできるというコンセンサスができてしまい,なかなか大変なようです。
FEDはGDPの12.3%を国債と社債の買取りに当て,BOEも12.1%を当てているのに,ECBはたった0.6%ですって。いかにこの非伝統的手段の分野におけるECBの政策が難しいかわかりますね。
フランス人ですのに記者会見ではいつも英語を話し,将来のECBの決定や移行に関して何らかのヒントをわかりやすく出すのは市場との対話を重視しているトリシェ総裁らしさです。
2005年の4月にアラン・グリーンスパン前FRB議長がサブプライムローンを始めとする高度な信用格付けの手法を賞賛したのに対して,同年末までにトリシェ総裁は「安易な信用供与はよろしくない」と外交官のような言葉で警告しました。ともかく大胆な予言や断定をしてもその通りにならないことを身をもって知っているので,言葉はさすがに慎重に選ぶのでしょう。
2007年のダボス会議では,「投資家がリスクを過小評価している」と主張しましたがどちらかというと人気の無い意見でした。
2003年から2008年にかけて金融システムのリスクに関して警告したのはトリシェ総裁とインド中銀のレディ総裁だけだったそうです。しかし,インフレターゲット政策を取っていたECB総裁としては,実際に危機が本格化するまで少なくとも金利面においてはあまりフレキシブルに対応できなかったのは不本意でしょう。特に2008年7月の利上げは誰がなんと言おうとも失敗です。
ところでこの記事の随所にはトリビアがありますが,トリシェ総裁の二人の息子のうち一人は,電話会社のマーケット戦略担当ディレクターで,もう一人はプロデューサー兼ミュージシャンなんだとか。へえっ,どこの記事にもこんなことは書いてないと思います。なんだか後半は彼の伝記かドキュメンタリーを読んでいるようです。時間があったらじっくり読んでみてください。トリシェ総裁の人となりがさらに良くわかります。旅行中の列車で延々と金融政策談義に明け暮れるエピソードを知ると,どこかの国の中銀総裁のように「金融政策が趣味」という人がフランスにもいたことがわかります。(笑)
基本的に(他人を人間的魅力で説得してしまう)「人たらし」のようです。
そして最後のパラグラフで現実に戻って,コンセンサスだけで政策を行うと全ての決定が遅れるという批判もあることを述べて記事は終わっています。
こんな総括記事は経済危機の真っ只中には出てはきません。逆にいうとこういう記事が出るということはメディアを含む人々の景気動向の将来への見方に余裕が出てきたことの証左と言えるでしょう。今日はこの記事を本当に楽しみました。
【追記】このエントリのカテゴリは,あえて「アノマリー・データ等」です。記事がなくなっても残るようにローカルにも保存しました。


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