1970年代に登場して以来、技術の発達とともにさまざまなハードが発売されてきたテレビゲーム。かつては子ども向けの玩具という扱いだったものの、近年は健康志向のソフトや生涯学習系のソフトも多数登場・普及するようになり、ユーザーの年齢層は着実に広がりを見せている。そうした中、多くの家庭に入り込んだテレビゲームをめぐる生活について、米国疾病管理予防センター(CDC)などが調査を実施。その結果から、“テレビゲームを好む人”の特徴を「平均年齢は35歳」「肥満傾向」「性格は落ち込みやすい傾向」とまとめた。

この研究はCDCと米国のエモリー大学、アンドリュース大学が共同で、米ワシントン州のシアトルとタコマ地域に暮らす、19歳から90歳の男女552人を対象に行ったもの。その結果は米医学誌「American Journal of Preventive Medicine」で発表され、米英のメディアから注目を集めている。

米ニュースサイトMSNBCによると、この研究は「テレビゲームをする人は、より高い肥満度指数を持つ」という仮説の実証と、“テレビゲームを好む人”の精神面の分析が目的。調査自体は2006年に行われ、結果を2008年に分析、そして今回の発表に至ったという。

調査では、対象者の45%あまりが「ゲームをする」と回答し、平均年齢は35歳となった。その上でゲームを「する人」と「しない人」に分け、個々の個性や肉体、精神面の健康具合、肥満度指数を比較したほか、自分の生活の質をどう認識しているかを質問。するとゲームを「する人」は、「しない人」に比べて総じて健康状態が良くない傾向となり、男性の場合は肥満度指数が高く、インターネットの利用時間が長いという特徴が現れた。また、女性の場合は性格が落ち込みやすく、肉体的な健康状態も低い傾向だったそうだ。

この結果に、研究を行ったCDCのジェームズ・ウィーバー博士は「それほど驚いていない」(英放送局BBCより)とコメント。また、「成人のテレビゲーマーも低い外向性が報告され、これは『座りっぱなしの生活で太り気味』とされる、若者のゲーマーの傾向を指摘した研究にも一致する」と説明している。ゲーマーの特徴は、年代に関係なく同じ傾向にあると見ているようだ。

さらにウィーバー博士は、女性ゲーマーの心理状態について「デジタルを用いた自己治療を行っている」と分析。「落ち込みやすい傾向にある」とされた女性の中には、気持ちのコントロールを行うために、ゲームを効果的に用いることで気を紛らわしている人がいる可能性を指摘している。つまり「ゲームをしている間は心配事を心から取り除き、平静を保とうとする」というわけだ。

今回の研究結果を受けてピッツバーグ大学医学部のブライアン・プリマック博士は、“テレビゲームを好む人”の傾向に警鐘を鳴らしている。プリマック博士は「テレビゲームの効果的な側面は利用しつつ、ゲーマーが仮想現実にのめりこまないようほどほどに遊び、社会に参加させることが必要」(MSNBCより)と訴えた。また、身体的に動くゲームについては「必要なものだろう」と、前向きな評価を下している。

この状況は英国でも同様で、BBCによると、2002年に英国内で行われた調査では、ゲーマーの平均年齢は25歳から34歳の年代に収まっていた。日本の場合も、子どもの頃からテレビゲームに親しみ、大人になったいまも楽しんでいるという人は多いだろう。子ども時代のようにのめり込むことは少ないだろうが、肉体的、精神的に不健康にならないよう、体を動かすことも心がけたいところだ。

ちなみに、今回の研究結果が米英のメディアで報じられたことを受け、海外のネットでは「俺は当てはまってるけどイヤな調査だな」「ゲーマーをステレオタイプ化するのはやめて欲しい」「『テレビが好きな人』の調査でも大差ないんじゃない?」と、反発の声も上がっている。