気持ちを全面に押し出したプレーで栄冠を勝ち取った西堀・浅尾ペア

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 8月13日から始まった「マスターカード ビーチバレージャパン」は16日に最終日を迎え、女子は浅尾美和/西堀健美(ともにエスワン)ペアが今季初の優勝を飾った。昨年までのマーメイドカップから発展し、男子と同時開催となった同大会。2人は初代女王の座に輝いた。

一方、23回目を数える男子は朝日健太郎(CHINTAI)/白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)が史上初の4連覇を達成。白鳥は、個人として8連覇という快挙を成し遂げた。

優勝が決まった瞬間、西堀と浅尾は体いっぱいに勝利の喜びを表した。満員の観客も、待ちに待ったこの瞬間を大きな歓声で祝福した。優勝インタビューでVサインをみせる2人は、ずっと満面の笑みをたたえていた。

決勝は2回戦で一度敗れた楠原千秋(フリー)/浦田聖子(MDI)の実力派ペアが相手。今年の国内ツアーでは1点を取る厳しさを見せつけられたライバルでもある。しかし準決勝の田中姿子/鈴木洋美(ともにフリー)との一戦と同様に、スタートからコートに響きわたるほどの大きな声で自らを奮い立たせた。

「技術はすぐに上がるものではないけれど、気持ちや声は自分次第ですぐにやることができる」とは浅尾の弁。2人は、その勢いで相手を翻弄し、気持ちを全面に押し出したプレーで栄冠を勝ち取った。

これまでは、なかなか結果が出なかった。上位に進出しつつも、最後の壁が破れず、3位がなかば定位置になっていた。それだけに、「今回の優勝がまぐれでないということを今後証明しなくてはいけない」と西堀は語気を強める。浅尾も「ここから勝ちぐせをつけてどんどん勝っていきます」と語り、今回の勝利が第一歩だということを強調した。

現在インドアで活躍する栗原恵選手や荒木絵里香選手らは日本女子バレーボール界の「最強世代」と言われる。浅尾/西堀ペアも彼女たちと同世代。その他、有望株の尾崎睦/草野歩(ともに湘南ベルマーレ)ペアも同じ世代のプレーヤーである。この世代の選手たちがビーチバレー界も牽引していくのかどうか。それともまだフロックの域を出ないのか。次回、大阪でのジャパンレディースも要注目だ。

写真・文/胡 多巻

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