日テレの字幕ミスを取り上げたブログ

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   日本テレビの情報番組で、「東海地震」を想定して作った字幕を誤って流すミスがあったことが分かった。大きな混乱はなかったようだが、パニックにもつながりかねない内容だった。

「浜岡原発の建物内部で放射能漏れ」

「日銀・白川総裁 東海地方の銀行の営業停止を発表」
「浜岡原発の建物内部で放射能漏れ」
「死者・行方不明者780人以上」

   これらは、2009年8月11日朝に放送された日本テレビ系「ズームイン!! SUPER」で流れた字幕だ。

   番組では、この日に起きた静岡沖地震を生放送で伝えており、これらの字幕は午前7時26〜28分に画面下に突然現れた。直前には、実際の地震における各地の震度や震源のデータを流しており、次の字幕から当惑するような内容に切り替わった。

「(コンビニ3社)他地域の商品を東海地域に移送(24時間営業を続行)」

   続いて、NTTの情報として静岡県内で電話がかかりにくい状態であることを告げ、白川方明日銀総裁によるとする前出の発表が報じられた。

   字幕ミスは、想定通りに流されなかったのか、「放射能漏れ」などの情報後に、麻生太郎首相が、東海地震を予知できたときの「警戒宣言」を発令したことが伝えられた。さらに、想定の午後1時10分ごろに、静岡などで震度7の地震を観測し、気象庁が「東海地震」と判定したことを報道。静岡県知事が自衛隊に地震災害派遣要請をしたことも伝える物々しい内容だった。

   そして、日テレ系ニュースNNNのまとめとして、全国で死者など780人以上が判明し、東海地方では、三重・尾鷲市で9万世帯に避難勧告が出されていることを報じている。

   誤った字幕が流れていた3分ほどは、番組のアナウンサーらが東大地震研の平田直所長にインタビューしており、平田所長は、字幕内容とは違って、想定される「東海地震」ではないことを解説していた。

静岡県「問い合わせがないので、分かりません」

   誤った字幕は、静岡県内では地元の放送局を通じて、流れていた。このミスで、何か混乱などはあったのか。

   消防庁や内閣府の担当者は、「初めて聞いた」と驚いた様子をみせる。また、地元静岡県の危機管理局でも、初耳といい、「県民から問い合わせがないので、分かりません」と言うのみだ。

   ただ、ネット上では、一部で騒ぎになっている。2ちゃんねるの実況スレッドで取り上げられたほか、東京都在住のプログラマー男性のブログ「で、みちアキはどうするの?」でも、「ひどい内容」と批判されて、はてなブックマークが50ほども付いている。

   東海地震については、政府の中央防災会議が2005年3月、被害想定に基づく地震防災戦略を決めている。日本テレビの字幕ミスについて、消防庁の応急対策室では、「私どもで時系列のシナリオを作成したことがありませんので、テレビ局が防災戦略の内容を読み取って独自解釈でまとめられたものではないでしょうか」と言う。

   全国で死者など780人以上という想定については、消防庁などでは、予知できなかったケースの想定死者7900〜9200人、あるいは予知ケースの2000〜2300人をもとに、日テレが発生12時間以内などの初期死者数を計算したとみている。三重・尾鷲市で9万世帯に避難勧告については、津波による400〜1400人などの被害想定をもとに、各市に取材するなどしてまとめたのではないかという。コンビニやNTTなどの想定も、同様としている。

   J-CASTニュースでは、日本テレビの総合広報部に取材したが、担当者が会議中などで不在とのことだった。

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