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さあみんなで『毒りんご』を食べよう

2009年07月31日02時30分 / 提供:ニュースブロガー

ニュースブロガー

なんでも評点

先日の記事でも触れたが、ビーイング系Giza所属のシンガーソングライター土山久美子さんのデビュー・ミニアルバム『毒りんご』(全9曲)が7月8日にリリースされた。アーチスト名は“moca”になっているが、これは彼女のソロユニットの名前である。作詞家・作曲家名は土山久美子になっている。
天神祭の花火鑑賞でもご一緒させていただいた。その数日前にもお会いする機会があり、デビューアルバム『毒りんご』に関して、いろいろとお話を聞かせてもらった。『毒りんご』は、現時点ではAmazonに在庫がなく、「通常1〜4週間以内に発送」と表示されている。『毒りんご』はGizaの系列のインディーズ・レーベルWeedsからリリースされたため、あまりCDが出回っていない模様だ。“毒りんご”を何度も聴いて、その内容のすばらしさに感動している筆者としては、実に歯がゆい。しかし、『毒りんご』はiTunes上でもリリースされており、試聴も可能となっている。iTunesを普段から利用されている方は、ぜひ試聴していただきたい。ただ、本人曰く「歌詞カードのないiTunesだと歌詞をじっくり把握してもらえないのが歯がゆい」とのことである。彼女の書く歌詞には、独自の世界観がある。土山久美子さんはアイドル系のルックスの持ち主だが、彼女が作り出す歌の多くは決してアイドルに似つかわしくないものである。デビューCDのタイトルが暗示しているように、収録曲の多くには致死量に達しないように絶妙に調合された“毒”が含有されている。“毒りんご”は2曲目の楽曲の題名でもある。この歌の主人公は、まさに白雪姫のように毒りんごを“自らの手で”食べる。“毒りんご”は何の暗喩なのか。土山久美子さんは、もともとアマチュアバンド活動をしていたところをスカウトされプロダクション入りした。それがまさしく彼女にとって“毒りんご”を食べるようなことだったのか、と深読みして尋ねてみたところ、やんわり否定された(筆者は大阪育ちの京都人だが、彼女は生粋の京都人)。そういう個人的な体験に根ざすものではなく、もっと広い視野から人生を見たときに発生しうる“毒りんごシチュエーション”を指しているのだろう。ご本人によると、“毒りんご”では、敢えて複雑なコード進行を多用したとのこと。たしかにカラオケで歌うのは難しそうな曲だ(現時点では、まだUGAやDAMなどのカラオケに収録されていないようだが、いずれは・・・)。しかし、その複雑な曲の流れがその独特の歌詞の裏で揺らぐ主人公の心理を見事に描写している。毒りんごの歌詞はこちら。注:一応、ご本人からOKが出ているので歌詞カードの一部を画像化したものを本稿では使わせていただく。事務所からクレームが出たら即削除の予定だが。6曲目の“女の種”では、決意に満ちた言葉が歌い上げられている。端的に言えば、男に頼らず自分を信じて生きようとする女の決意である。この曲も旋律が意外性に満ちた展開を見せる。女の種の歌詞はこちら。4曲目の“ドリームガール”は上記2曲と異なり、単純明快なメロディーとリズムで明るく歌い上げられる楽曲だ。いたずらっぽい遊び心に満ちていて、その遊び心は歌詞カードにも“縦読み”というかたちで反映されている。そう、2ちゃんねるなどで言うところの“縦読み”である。彼女自身が2ちゃんねらーかどうかは未確認だが。(そう言えば、拙著“世界のありえな〜い100選”を担当してくれた編集者が実はバリバリの2ちゃんねらーだったのだが)。“先走っているよ”という歌詞も何か意味深だ。本人にその旨伝えると、にこりと笑っておられた。ある種のアニメのテーマ曲にぴったりの楽曲かもしれない。全9曲中、ラブソングに分類できそうなのは「万華鏡」、「パフューム」、「紫陽花」の3曲だけだ。このうち、「紫陽花」は何かのテーマ曲に使われれば大ヒット間違いなしの名曲である。上の画像は8曲目の「紫陽花」のページの画像である。この歌には、上で言及したような“毒”は一切含まれていない。なんとなくデュエットバージョンも作れそうな曲だと感想を述べると、「最初はデュエット曲にしようと思っていた」とおっしゃるではないか。しかしまあ、その歌詞の詩情豊かさ、旋律の美しさ。どれを取っても万人受けするに違いない名曲である。ロック色の濃い“毒りんご”や“女の種”と比べると、抑え気味な声量で歌っているが、決して裏返らない歌い方である。先の記事でも彼女の歌唱スタイルの特徴として「完全に地声で歌う」点を指摘したが、本人に確認したところ、やはり「裏声は使わないし、使ったこともない」とのことだった。このCD自体がまさしく1個の“毒りんご”なのだ。土山久美子さんの知名度はまだまだ低くて彼女の曲を聴いたことのある人は現段階では極めて少数しかいないだろう。しかし、いったん彼女のパフォーマンスと作品に触れれば、あなたは毒りんごを食べたも同然である。

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