横綱・白鵬11度目の優勝で幕を閉じた大相撲名古屋場所。おまけに白鵬は千秋楽の協会あいさつに遅刻する大失態を犯すという不始末ぶり。日本の“国技”もナメられたというべきか。V戦線もすべて外国人力士ばかり、おまけに三賞・敢闘賞の翔天狼もモンゴル出身。一体どうしたのか『日本』。



 またしても大きなため息が漏れた。終盤、大いに盛り上がった名古屋場所。その要因の一つがご当所、愛知県岡崎市出身の大関琴光喜(33)の活躍だった。

 圧巻は11日目の白鵬戦。常勝横綱の白鵬は序盤から快調に飛ばし、ここまで全勝。目の前でもう一人の全勝力士、琴欧洲が千代大海に敗れたこともあって、ここで勝てば一気に抜け出し、独走しそうな気配だった。その大本命を、館内の大声援を背にもろ差しで寄り切った琴光喜は、「待った」をかけると同時に、自分も優勝戦線に躍り出た。

 このときの琴光喜の喜びようはたいへんなもの。「(動きが)止まったら、負けですから。寄っているときも、いけるかな、いける、いけって感じでした。いや、今日だけはシビレましたね。最近、ふがいない相撲が多かったけど、これで少しは自信を持って取れる。ここまできたら、やっぱり(優勝を)意識しますよ」と満面に笑みをたたえたが、この日本中の大相撲ファンを沸かせた頑張りもここまでだった。

 翌日は、一転して朝青龍にいいところなく敗れ、あっさり優勝争いから脱落。またしても日本人力士の優勝は絵に描いた餅と化してしまった。



 完全に外国人力士に占拠され、「日本の国技」という名を冠することすら、はばかられるようになった大相撲界。平成18(2006)年初場所の大関栃東を最後に、日本人力士の優勝は途絶えたまま。もう3年半も前のことだ。それから21場所、大相撲ファンは千秋楽の表彰式で国歌「君が代」を歌いながら、白鵬、朝青龍、琴欧洲、日馬富士ら、外国人力士が理事長から優勝旗を受け取る様子を見続けてきた。これでは、もう大相撲界は国技という名を返上しろ、という論議が巻き起こるのも当然だ。

 優勝力士ばかりではない。幕内力士42人中3分の1以上の16人、上位の横綱、大関だけをみれば、7人中4人と過半数を外国人力士が占めている。人数的にはまだ少数派だが、地位的にはすでに外国人力士に乗っ取られてしまったと言っていい。

 それを浮き彫りにしたのが名古屋場所初日。最も館内が盛り上がる結びから4番の取組で、日本人力士が登場したのは関脇稀勢の里と小結琴奨菊のわずか2人だけ。いずれも完敗したが、それをまた、誰も不思議や奇異に思わないぐらい、外国人力士たちは大相撲界に溶け込んでしまっているのだ。

 「もう日本人とか、外国人とかにこだわること自体がおかしい、プロ野球やサッカーを見ろ、エースや主砲、主力選手のほとんどは外国人選手じゃないか」という声があるのは承知しているが、それらのスポーツと大相撲は背負っているものが違うし、ファンの見る目も違う。大多数のファンは相変わらず日本人力士に強いこだわりを抱いているのだ。どうしたら大相撲を日本人力士の手に取り戻すことができるのか。

 これまでのように、弟子の育成をそれぞれの親方たちに委託するやり方では、いつまで経っても結果は同じことで、思い切った発想の転換は必要。ある協会幹部は「若くて有望な力士を何人か、抜擢し、やる気にあふれた1人の親方に預けて徹底的に強化トレを施すことですよ。オリンピック競技だけでなく、最近はプロ野球などでも、この方法をとっているじゃないですか。それしか、もう方法はない。問題は大相撲界にそれをやる勇気と決断力があるか、どうかです」と話している。

 土俵際に追い詰められている大相撲界、いまこそ動くときだ。

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