駅ナカにある飲料の自動販売機。それはただ置いてあるのではない。ただ静かに設置してあるのではなく、いつ、誰に、どう買わせるか?商売のキモともいうべき設計がきちんとなされているのである。

JR東日本管内の自動販売機にポスターが掲出されて、キャンペーンが展開されている。「ホテルのソトアサ オフィスのセキアサ」。
ニュースリリースによると<自販機を利用する多くのお客さまが通勤・通学時間帯であることから、“朝の過ごしかた”を今回のプレゼントとして提案>する意図だという。景品は「メトロポリタンホテルズ共通朝食券」やオフィスの自席で朝食を摂る時に飲料の保温・保冷に使える<アイス・ホット両対応USBカップクーラー&ウォーマー>。
何気ないキャンペーンだが、このキャンペーンテーマは駅ナカ自販機戦略の本質を明確に表わしている。

駅ナカ自販機の運営会社はJR東日本ウォータービジネス。JR東日本の株主総会で40歳代子会社社長が続々登場して話題になったが、その一人、田村修氏(41歳)が二代目社長を務めることとなった企業である。社長としては二代目であるが田村氏は2006年8月のウォータービジネス社立ち上げ時点から携わってきた立役者である。JR東日本管内ではなじみ深いミネラルウォーターの『名水「大清水(おおしみず)」』を『谷川連峰の天然水「From AQUA(フロムアクア)」』にリニューアルして、「大清水」の3倍・年120万ケースの販売に成長させた立役者でもある。

JR東日本ウォータービジネスの最大の特徴は、今回のキャンペーン主旨にもあるように「自販機を利用する多くのお客さまが通勤・通学時間帯であること」という、ターゲットと購買機会を明確にしている点にある。駅のホームや構内という恵まれた顧客接点をおさえている故にできる戦略ではあるが、その選択と集中は見事である。

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