就職活動が例年になく長引いている。いまだに約3割の学生が内々定を得ていない中で、いま学生は就活に深刻に悩んでいる。なぜ内々定が出ないのか? その悩みとは、「自分が何に向いているのか? 何をやりたいのか? が見つけられない」「自己分析が上手く出来ない」「自己分析から具体的な企業選びに結び付けられない」――こうした就活生の悩みが、学校法人河合塾と矢野経済研究所が、就職活動を経験した短大生、大学生、大学院生を対象に実施した就職活動に関するアンケート調査で分かった。

 就活生の悩みの上位3位は、「自分が何に向いているのか? 何をやりたいのか? が見つけられない」(58.5%)、「自己分析が上手くできない」(45.2%)、「自己分析から具体的な企業選びに結び付けられない」(31.1%)。これらの回答が、内々定取得者より高い回答率を示している。中でも「自分にフィットする企業を見つけられない(32.3%)」という悩みは、内々定者の回答の約2倍を超えている。
 
 内々定者に『もっと力をいれておけば良かったこと・対策』について聞いたところ、「自己分析」(46.6%)、「企業研究(多数の企業を幅広く知る)」(42.3%)、「業界・業種研究(多数の業界・業種を幅広く知る)」(39.7%)が上位を占めた。

 日本人材ニュースが3月から定期的に就職活動中の学生を対象に実施しているヒアリング調査では、活動中の悩みについて「自己分析をしすぎて、自分では何が適正なのか分からなくなった」という声が数多く寄せられている。
 また、応募企業の選定については「自分の知っている企業にしか応募しなかったので、応募企業が限られた」「知っている企業に応募しつくして、エントリーする企業がなくなった」など、業界・企業研究の不足も明らかになっている。
 その結果が、BtoC企業の人気が高く、BtoB企業は不人気という現象につながってくる。当然学生の応募は、優良・不良に関係なくテレビCMなどメディアへの露出の多い有名な企業に集中する。
 
 こうした悩みの多くは、どこかの本にある、あるいはネット上の噂によるマニュアル通りの就職活動が、悲劇を招いたものと言える。第一に自己分析、その次が業界・企業研究という順番で就活を進めた結果の失敗なのだ。
 この順番が逆で、業界や企業、仕事の内容や必要とされる能力も知らないのに、いくら自己分析をしても、何も良い考えは浮かんでくるわけがない。
 新卒の場合、判断の基軸となるものは、業界や企業についての基本的な知識で、その上に仕事研究や自己分析を行う必要があるだろう。

 これから就職活動は、2010年新卒の秋採用、11年新卒の春採用に突入していく。就活に取り組む学生は、この反省を生かし、まずは業界・企業研究から真剣に取り組もう! それが就活を成功させる近道だ。

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