世界一レアなゲームソフトがオークションに出品、落札価格は165万円。

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どのようなアイテムでも、生産数が少なければ自然と価値が上がるもの。トレーディングカードから有名人の所持品まで、レアアイテムの注目度は総じて高い。それはゲームソフトの世界でも同じで、コレクターの間では高値で取引されるレトロゲームがたびたび話題となるが、中でも超レアなソフトとして知られるのが、1990年に米国で開かれた世界大会の専用ソフト「Nintendo World Championships 1990」だ。このたび、世界でわずか26本しか存在しないこのソフトがネットオークションに出品され、1万7,500ドル(約165万円)で落札されたことが話題となっている。

「Nintendo World Championships 1990」は、世界大会のため116本のみ生産された「ファミリーコンピュータ」用のゲームソフト。「『スーパーマリオブラザーズ』でコイン50枚獲得」「『ハイウェイスター(Rad Racer)』で専用コースを完走」「テトリス」の人気3作品をフィーチャーしたミニゲームで構成されており、制限時間6分21秒以内にそれぞれで獲得した得点の合計を競う。「ハイウェイスター」の得点は10倍、「テトリス」の得点は20倍に換算されるため、いかに早く前2つのゲームを終わらせ、テトリスで高得点を稼ぎだすかがポイントのようだ。ゲームの中身はYouTubeに投稿されている動画「Nintendo World Championship 1990 Cart」などで確認できる。

116本のうち、90本生産されたグレーのカートリッジは同大会の決勝進出者に贈られ、残りの26本は黄金のカートリッジとなっており、米ゲーム誌「NINTENDO POWER」主催のコンテストで特賞受賞者1人、次点受賞者25人に与えられたという。今回、ネットオークションに出品されたのは黄金のカートリッジ。以前から熱狂的ファンの間で注目されており、2007年にネットオークションへ出品された際は、24本のカートリッジとのセットで2万1,400ドル(約200万円)、2008年には単体1万5,000ドル(約140万円)で落札されている。

今回のオークションの顛末は英米のメディアで紹介されており、米ゲーム専門サイト「Video Game Price Charts.com」では落札者本人が出品者とのやり取りの様子が書きつづられている。それによると、出品者は当初、2万5,000ドルの値をつけていたという。

落札者のJJヘンドリックス氏は、オークションサイト「eBay」で売りに出された黄金のカートリッジを発見するや否や、出品者に対してソフトの状態や所有に至るまでの経緯を尋ね、黄金のカートリッジを持っていたことがある2人の人物にも確認を取り、本物であることを確信した。

ヘンドリックス氏は、1万7,500ドルで買い取ることを提案したが、出品者はこの提案を保留し、他の希望者を待つと返答。すると、3週間ほどでさらに高値の条件を出す人物も現れた。結局、この入札はいたずらだったが、ヘンドリックス氏がホッとしたのも束の間、出品者から「別の人と1万8,500ドル(約175万円)で取り引きする」との連絡が入る。これには、ヘンドリックス氏も「可能性を失った」と落胆したようだ。しかし、その1週間後、出品者から取り引きが失敗したという連絡があり、再交渉を開始。ヘンドリックス氏の条件が最高値になり、6月1日に取り引きすることで合意したという。

約1週間後に送金し、憧れだった黄金のカートリッジとの対面を待ちわびたヘンドリックス氏だったが、運送会社から配送キャンセルの連絡が届いた。送付先の住所が間違えていることにも気づいたため出品者に連絡すると、「やっぱり売らないことにした」という衝撃の返答。激怒したヘンドリックス氏が迫ると、出品者は15分後に電話をしてきて、謝罪を繰り返したという。

こうした紆余曲折を経て、6月13日午前7時30分、ヘンドリックス氏の手元に黄金のカートリッジが届いた。「Video Game Price Charts.com」には、すでに所有していたグレーのカートリッジとともに並べた黄金のカートリッジを掲載。同氏は「ゲームの聖杯を持った」と喜びを表現している。

同サイトの記事には、160件を超えるコメントが寄せられており、「感動的だ。この話は2万ドルの価値がある」「おめでとう、あなたは黄金のカートリッジの所有者にふさわしい」など、苦労して手に入れた様子に多くの人が感動しているようだ。