【コンフェデ雑記】前言撤回。南ア開催はアリだと思えてきた理由
2009年06月26日18時03分 / 提供:livedoor スポーツ
2010年W杯のマスコット、ザクミ
[Photos by Kishimoto TSUTOMU] 写真一覧(8件)
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そういったら、治安は世界最悪と書いた前回とは大いに矛盾してしまう。
だが、2週間近く南アフリカに滞在して、次第にこの国が好きになってきた自分がいるのは否定できない。
海外メディアの多くは、南アフリカの治安について一般的に次のように捉えている。
「たしかに悪いかもしれないが、どこの国でも行っちゃいけない地域はあるもんだ」
程度の差こそあれ、ヨーロッパも似たようなものである。実際、日が経つにつれて筆者の行動半径は徐々に広がりつつある。夜道を出歩くことは避けているが、日中はそれなりに外出するようになった。「どうしよう、どうしよう」と不安がっていた日本での自分を、笑いたくもなってくる。
要は行ってはいけないところに、行かなければいいのだ。それでも事件に巻き込まれてしまったら、我が身の不運を嘆くしかない。それはどこの国でも同じことだ。
南アフリカは想像していたほど最悪ではない。それどころか好きになってきたと書いたのは、この国の多くの人々が心からワールドカップが来ることを歓迎しているのが手に取るようにわかるからだ。
ボランティアの人々は、挨拶を交わすたび、「南アフリカにようこそ。この国の印象はいかがですか?」
とたずねてくる。
それは彼らが、ネガティブに語られることが多い、祖国の本当の姿を見てほしいと思っているからだろう。
「思ったほど治安も悪くないし、みんな親切にしてくれる」
と正直な感想を伝えると、だれもが「そうだろう、そうだろう」と笑顔でうなづく。
そしてアパルトヘイトの後遺症として、社会の底辺で苦しんでいる多くの黒人たちは、ワールドカップを心の底から待ちわびている。それは「バファナ・バファナ」の愛称で親しまれる南アフリカ代表チームの選手の多くが、タウンシップと呼ばれるアパルトヘイト時代の黒人居留区から出てきていることと関係がある。
ワールドカップでは、自分と同じ境遇の若者が世界の檜舞台に立つのだ。その誇らしさは、筆者の想像を超えるものがあるようだ。バファナ・バファナが勝ったら、その日、南アフリカに無数に点在するタウンシップは爆発するような騒ぎになるに違いない。
500万人が暮らすといわれる南アフリカ最大のタウンシップ「ソウェト」の子どもたちは、バファナ・バファナと聞いただけで飛び上がるようにして喜ぶ。
そんな人々を見ていると、この国でワールドカップが開かれるのも悪くない、そんなふうに思い始めてきたのである。
――と書いた矢先、日本のメディアが襲われたと人伝に聞いた。襲われたのが自分だったら、とてもこんな好意的な原稿は書いていないだろう。
取材・文/熊崎敬
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