メイン出場はTUFシーズン1優勝のディエゴ・サンチェス。手が合わない展開になっても一本を期待したくなるサブミッション求道者

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ドイツでの激闘がまだ記憶に新しいUFCだが、今週末20日(土・現地時間)は、早くも次回大会TUF『Team US vs Team UK FINALE』がラスベガスのパールで開催される。

米国時間の水曜午後10時のTUFシーズン9最終中継により、ウェルター級決勝カードが決定するため、現時点においても7試合の発表にとどまっている同大会。そのなかにあるシーズン出演選手の名前は、ライト級決勝戦ロス・ピアソンとアンドレ・ウィナー戦で、チームUK内対決となっている。

同大会は評判がすこぶる芳しくないTUF今シーズンに関するラインナップよりも、それ以外の試合にずっと注目が集まるのも事実。

実際、TUFシーズン8は実力者+個性的なファイターが多い豊作だったため、フィナーレ出場選手のなかでTUF出演者の締める割合は、今大会よりも高かった。

そんなTUFフィナーレだが、メインはTUFシーズン1ミドル級優勝のディエゴ・サンチェスが、UFCエキゾーストファイトの走りクレイ・グイダと対戦する。

2月のロンドン大会のライト級転向初戦で、TUFシーズン2優勝のジョー・スティーブンソンを下したディアズにとって、グイダは戦いやすい相手であり、同時に戦いづらい相手でもある。

ロジャー・フエルタやタイソン・グリフィンに大熱戦の末、敗れた当時のグイダの戦い方は、動き続ける戦いの終着点はパウンドでKOや、チョークで一本勝ちだった。動き続けるうえにフィニッシュを狙うのだから、体力も消耗するし隙もできる。これは、卓越したグラップラーのディエゴにとって、動きあるなかで一本を狙える展開に持ち込みやすい。

それが2月のラスベガス大会でベストファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得したネイト・ディアズ戦のように、動き続けはするが、テイクダウンに成功しても、そこから先はなく立ち上がる、あるいはバックをとっても、再び距離を取り打撃の攻防に戻り、またテイクダウンを狙うという最近のスタイルでこられると、極めのチャンスは一気に減少してしまう。

動き続けることが、ミスなくジャッジの心証を良くするためのノンストップ行為は、最近UFCで流行りつつある勝利の方程式だ。ただ、ディエゴも07年4月のジョシュ・コスチェック戦の敗北を糧とし、2月のスティーブンソン戦では、ジャブを当てた数が多い方が勝利するというファイトを判定でモノにしている。

この試合の勝者が、タイトル戦線で一気にトップに駆け上がることは間違いなく、手堅く戦うことも十分に予想されるが、予想を上回る動きある試合で勝利し、タイトルを射程距離に置いてほしいところだ。

タイトルを考えると、トップ集団崖っぷち対決となるのが、メイン出場の両者に遅れをとったスティーブンソンと、ネイトの対戦だ。前述したとおりスティーブンソンがTUFシーズン2覇者なら、ネイトはTUFシーズン5で優勝したファイター。知名度も人気も高い両者を、このタイミングでマッチアップするのだから、ジョー・シルバもえげつない仕事をするといえるだろう。

この試合もメインと同じ、本来は噛み合うスタイルだが、スティーブンソンがスタンド・キープ+ジャブ戦法を取ると、極め一本槍のネイトは部が悪くなるか。ただし、スティーブンソンも自分の本分がグラップリングにあることは明確に理解しているだろうし、長所をのばすグレッグ・ジャクソン流トレーニングで、どこまで成長したのかも気になる。

一方のネイトは、体格的にもストライクフォースのエース=ニックと同様長いリーチを誇っており、ニック譲りのラフ・ボクシングが身についているようであれば、試合は全く予想もできない方向に向かう可能性もある。

この他、TVマッチではケビン・バーンズと対戦するクリス・ライトルがTUFシーズン4に、グレイソン・チバウと戦うメルヴィン・ギラードがシーズン2に出演したTUFファイターとなる。

■対戦予定カードは下記の通り

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
クレイ・グイダ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ケビン・バーンズ(米国)
クリス・ライトル(米国)

<TUF9ライト級決勝戦/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
アンドレ・ウィナー(英国)

<ライト級/5分3R>
ジョー・スティーブンソン(米国)
ネイト・ディアズ(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイソン・チバウ(ブラジル)
メルヴィン・ギラード(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブラッド・ブラックバーン(米国)
エドガー・ガルシア(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マイク・シエスノレビッチ(米国)
トーマツ・デューエル(ポーランド)