「オタマジャクシ」騒動 原因は「つむじ風」が有力
2009年06月17日16時48分 / 提供:J-CASTニュース
突如としてオタマジャクシが落下する現象が全国的な広がりをみせている。はじめは石川県内で相次いで発見されていたのが広島県、静岡県、岩手県でも確認された。落下の原因はいったい何なのだろうか。
静岡県、広島県、岩手県でもオタマジャクシ落下
最初にオタマジャクシの落下が見つかったのは2009年6月4日。石川県七尾市の中島市民センターの駐車場で、オタマジャクシ100匹が叩きつけられたかっこうで発見された。居合わせた職員は「うしろから何かが降ってくる音が聞こえた」「柔らかいものが車のボンネットに付着する音が聞こえた」と話している。同センターの女性職員は「長いことつとめているが、はじめてのこと」と驚きを隠せない。
しかも、同様の事態が石川県内では相次いで発見された。6日には白山市の民家の駐車場で20〜30匹、8日には七尾市の民家の玄関付近でおよそ10匹、11日には輪島市の橋の歩道で100匹、12日にも白山市で30匹のオタマジャクシが確認された。
くわえて、この「オタマジャクシ落下」はなぜか、全国各地にも波及している状況だ。静岡県浜松市中区の西遠女子学園中学・高校のグラウンドには13日、30匹以上のオタマジャクシが発見された。岩手県紫波町の畑でも同日、農作業をしていた女性が空から降る小魚のような生物を確認したという。また、広島県三次市の民家の庭でも15日、およそ10匹のオタマジャクシが散乱していたとの報告がある。
「つむじ風」とは、小規模な渦を巻いた風
ところで、なぜ、オタマジャクシが落下するのか――。有力な仮説は3つある。「イタズラ説」「鳥説」「風説」だ。イタズラ説に関しては報道によると、発見当時には人の気配がなかったことが報告されており、この可能性は低そうだ。
また、サギや鵜がオタマジャクシを吐き出したのではないか、という「鳥説」はどうだろう。日本鳥類保護連盟は、「鳥がカラスなどに襲われ、何かの拍子に胃の中にためていたオタマジャクシをはき出してしまう可能性は、ないとは言えない」と指摘する。鳥類は現在、繁殖期を迎えており、ヒナのために餌を持ち帰る行動が頻繁に行われている。
「ただし、だいたいは一度飲み込んだものをはき出して、ヒナに与えています。だから、万が一はき出した場合、半分消化されたどろっとした状態になると思うのです」
そこで、有力なのは「風説」となる。風がオタマジャクシを巻き上げ、たたきつける可能性だ。金沢工業大学の饗庭貢教授は、最初に落下が報告された七尾市の中島市民センターの周辺の状況や地形、当日の気象状況を確認したところ、
「『つむじ風』が発生したことで、付近の水田からオタマジャクシが巻き上げられた可能性が高い」
と指摘する。「つむじ風」とは、小規模な渦を巻いた風のことで、気象台でも観測できないという。饗庭教授は中島市民センターの場合、次のような状況で発生したと推測する。
――太陽が駐車場のアスファルト地面を熱し、建物の屋上にはエアコンの室外機が設置されていたことから上昇気流が発生しやすい状況だった。くわえて、水平方向からの風が建物にぶつかって、渦をまいた。その際、付近の水田のオタマジャクシを巻き上げた。しかも、水田では日中、水を止めており、オタマジャクシも巻き上げられやすい状況だったようだ。その後、風が凪いだとき、行き場を失ったオタマジャクシが落下した、というわけだ。
饗庭教授によると、全国で起きている落下現象も、同様の仕組みで説明できると見ている。もっとも、こうした状況は以前にもあったはずだが、ここ最近で発見例が相次いでいるのは、「報道で(オタマジャクシを)気に掛ける人が増えたのでは」とも話している。
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