川上未映子/「パンドラの匣」完成披露試写会(撮影:野原誠治)
 16日、太宰治生誕100年記念映画「パンドラの匣(はこ)」の完成披露試写会が東京・シネセゾン渋谷で行われ、主演の染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介、音楽監修の菊地成孔、冨永昌敬監督が登壇した。

 「パンドラの匣」は、結核を患う主人公の少年・ひばりが「健康道場」という風変わりな療養所に入所し、そこでの生活を通して生きる活力を取り戻すという、太宰作品には珍しくユーモアと希望に満ちた物語。実在した木村庄助氏という人物の日記を元に書き上げた小説で、太宰自身が映画関係者に「これを映画化したらどうか」と呼びかけ、1946年に「看護婦の日記」として実写映画化された。しかし、太宰はこれを「つまらなかった、途中で出ちゃった。日本人にはほんとうの意味の軽薄さがない」と酷評したというエピソードも。今回53年の時を経て、完成した本作は太宰の原作をどのように描いているのか多くの注目が集まっている。

 今回、主人公ひばり役に抜擢された17歳の染谷は「完成した作品を観てとてもショックでした。自分自身で整理できないほどの物語で、魅了され続けてます」とまっすぐな瞳で語り、「結核に侵された人間というと、暗い物語のように思われますがみなさんにも鑑賞後“こういう希望もあるんだ”と驚いていただけると思います」と自信をのぞかせた。2008年、「乳と卵」で第138回芥川龍之介賞を受賞し、本作が映画初出演となった川上はパールグレーの個性的なワンピースで登場。「生命力と明るく前に向かっていく、太宰にしては珍しい作品に出演できて嬉しいです。家で小説を書くというのはある意味監督業。“単語”の気持ちになれて、完成した作品を観た時はまるで魔法を見ているようでした」と感想を述べた。また、共演の窪塚も「ゲラゲラ笑えるし、メモりたくなるような良い言葉もあるし、泣ける素晴らしい作品。僕の見事な“結核ぶり”含めて楽しんでください」とコメントした。

 監督自身が“ハードボイルド版・うる星やつら”と称するほど、学園ドラマの要素を持つ本作において、ひばりを振り回すマア坊を演じた仲は、「完成した作品を観て、すごいオシャレだなと思って。観ている自分にも酔っちゃいました。皆さんもぜひシャレオツ度を上げてください」と話した。苦労した点については「金歯をはめているシーンがあるんですけど、本当に歯と歯茎がかゆくて大変でした…」と話し、会場の笑いを誘っていた。

 映画「パンドラの匣」は10月、テアトル新宿ほか全国順次ロードショー。

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