「もう節約はイヤだ。そろそろ好きなものを買いたい!」――。最近、巷にはそんな声が溢れているという。

 昨年から未曾有の不況に襲われている日本では、これまで消費意欲が衰え続けて来た。だがここに来て、ようやく回復の兆しが見えつつある。

 内閣府が行なった今年5月の消費者心理動向調査によれば、「一般世帯の消費者態度指数は顕著な改善の兆しを見せ始め、持ち直しの動きが見え始めて来た」という。

 その背景にあるのは、「景気底打ち感」が強まっていることばかりではない。冒頭の声のように、これまで消費を抑制して来た消費者たちの「ガマンの限界」が訪れていることも、大きな理由の1つだろう。

 そんななか、先月8日、9日にインターネット上である興味深い意識調査が行なわれた。「2009年夏の買い物動向 男女意識調査」(有効回答数は男女800名)である。

 調査で浮き彫りになったのは、「家庭で小遣いを減らされた男性の多くが、節約生活に耐えられなくなっている」という現状だ。約84%が、「日用品以外の好きなモノをこれまでより買えない」、約62%が「買い物をガマンしている状況にウンザリ」と回答したのだ。


「男のやんちゃ買い」推進委員会代表のおちまさと氏。バラエティ番組などで活躍する人気プロデューサーで、やんちゃ買いへのこだわりは強い。

 じつはこの調査、「『男のやんちゃ買い』推進委員会」なるプロジェクトが行なったもので、代表はあの人気テレビプロデューサー・おちまさと氏である。彼らは、今後盛り上がるであろう新たな消費トレンドを「やんちゃ買い」と名付け、楽天市場内の特設サイトなどを通じて、主に男性の消費を盛り上げる目的で活動している。

「やんちゃ買い」とは、「メジャーなブランドや商品でなくても、モノとしてのクオリティの高さに惚れ込んだら、値段が少し高くても購入する」という意味。さしずめ、「男のライフスタイルを楽しく、豊かにする買い物」といったところだろうか。

 実際、先の調査によれば、男性の約77%がやんちゃ買いを「魅力的」と回答している。また、やんちゃ買いができる金額は「平均30万8175円」と高く、彼らの消費意欲が意外なほど盛り上がっていることがうかがえる。そのため、これまで抑えられていたニーズがいよいよ爆発し、この夏のボーナス商戦時期には男性による生活必需品以外の消費が増えるのではないだろうか。

続きはこちら


■関連記事
・なぜ今、「ガールズ消費」が注目されるのか?【保田隆明コラム】
・不況下で明暗分かれる外食チェーン 低価格だけではない「勝ち組の新常識」
・苦境のなか「料理教室合コン」まで登場!起死回生を図る“お稽古・習い事”業者
・独身バブルで不況も“どこ吹く風”「婚活ビジネス」の知られざる裏側
・花王の尾崎社長が語る「消費者心理」成熟市場では“共感と情緒”がカギ