耳の掃除をする「耳かきエステ」店が、マッサージなどの性風俗営業をしたとして、埼玉県の大宮、浦和の2店舗が摘発され、経営者らが逮捕された。「耳かきエステ」といえば、癒しやリラックスを求めて訪れる客が多いはずだが、どうしてこうなったのだろうか。

「あ〜ん、おいちいでちゅか?」

   09年6月10日に摘発されたのは「耳かき一発」の大宮東店と浦和店。耳の掃除の他に、下半身のマッサージサービスや、女性従業員の体を触らせるなどの行為を客にさせていた。従業員には女子高生(15)もいた。

   この店、耳の掃除の他にどんなサービスがあるのかというと、好みの従業員の肩や首などを客がもみほぐす「逆接待お楽しみコース」。恋人気分で15分間ゆっくり、まったりする「うでまくらコース」。また、オタク向けの「メイド耳かきデートプラン」や、「バブバブちゃんコース」というのもあって、このコースの説明には、

「美人エステシャンがMな貴殿のお口までお菓子を差し上げます。赤ちゃん気分で母性本能を満喫下さい。あ〜ん、おいちいでちゅか?」

とホームページに書かれている。そのほかに「究極の巧みの技」というのもあり、内容は「秘伝」としか説明はないが、どうやらこれが下半身サービスのようだ。

   「耳かきエステ」は、癒しを求める男性に人気となり、05年頃から都市部を中心に増えていった。最初の頃は診察台のようなベッドに寝て耳掃除をする店が多かったが、女性の膝枕での掃除や、コスプレを売りにする店も出て、予約が必要な大人気店も現れた。サービスを2畳ほどの小さな個室で行う店もあり、耳掃除の他に、肩もみやアロマオイルを使ったマッサージなどのメニューを導入しているところもある。

   今回の摘発について、大手チェーンの担当者は、

「性風俗店のようなサービスをしている店舗など聞いたことがない。よほど利益をあげたかったのか、それとも、人気回復のための苦肉の策としか考えられない」

と驚いている。

「回春エステ」の手法を真似た?

   経営者の西沢道明容疑者(41)は埼玉県警などに、売り上げを上げるためにやったことで、売り上げは2割増えた、と説明しているというが、「違法な性的サービスではない」と、容疑を否認しているという。

   性風俗に詳しいジャーナリストは今回の事件について、「耳かきエステ」は個室に男女2人の体が接触する状態で施術が行われるため、サービスがエスカレートする危険が秘められている、と説明する。また、検挙された店が下半身サービスを行った理由をこう推測している。最近急増しているエステに「回春」を目的とした「メンズ(回春)エステ」があり、ここでは男性機能を高めるサービスが行われる。施術の最後に膝枕で耳かきをしてくれるところもある。こうした店も「性風俗店ではありません」という看板を掲げるところが多い。西沢容疑者が「違法行為ではない」否定しているのは、「回春エステ」と同列と考えているのかもしれない。

「耳掃除の店が回春エステをするのは無理がある。回春エステも性風俗営業許可を取っているところがあり、今回の摘発は当然でしょう」

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