〜高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ〜
1980年〜90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。


第二章 一人前への長い道のり




「ネタがないんだったら、これでも売り込んでこい!」


圧延前の工程としてアルミニウムをスラブという形状にするための
鋳造工程というのがあり、その鋳造機にアルミニウムを入れるため
アルミニウム地金を溶解するための設備であった。

宮田は、宇都宮までの電車の中で、そのカタログを何気なくぺらぺら
とめくって、初めて目にする機械のスペック(仕様)と特長なりを
頭に入れて、自分なりのセールストークを考えようと必死だった。

鹿沼工場には製造部、品質保証部、研究開発部、設備部、資材部
など色々場部署があった。

通常、機械や設備物、サービスを工場に売るためには、色々な部署
とのコネクションを構築し、情報を収集しなければならない。

関が以前この工場から受注した150億円もの圧延機となると、
工場だけでなく、本社の調達部、本社の担当役員はもちろん、
社長や会長なども重要な関係者となって、受注にいたるまでに
押さえておくべき関係者は膨大な数となり、またそのレベルが
高度になってくる。

宮田は、守衛所で入門証をもらって、まずは資材部のところに足を
運んだ。

そこには、大勢の地元含む建設業者や機械卸、設備メーカーなど色々
な業者が、資材部との打ち合わせをしようと商談コーナーにたむろ
っていた。

ここで、じっと待っていても、何も起こらないという予感はしていた。

意を決して、業者の待ち合わせ場所と事務所を仕切るキャビネット
越しに身を乗り出し、何人かの設備部の方々に向かって、声を出した。



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