今回の【ドラマの女王】は、金曜ドラマ『スマイル』(TBS系)2回目。叙情的な椎名林檎 の主題歌「ありあまる富」(なんかすごい題名!)が流れる中、これでもかとさんざんな苦難に遭わされているビトは、“ジェスチャー萌え”花ちゃんとの純愛を貫く。企業不正の立証は少し前進したけど、ビトのかつての悪仲間・林役のオグシュンの執着が“身の毛もよだつ”ほど怖い。ビトはこれからどうなるの?と目が離せないが、これをNHK朝ドラ『つばさ』のラジオ・ポテトの社長が書いているかと思うと、急激に緊張感が無くなるんだけど・・・・。


NHKのお昼の番組『スタジオパーク』に出演した俳優で脚本家の宅間孝行。ぜんぜん知らなかったが、人気劇団を主宰していて脚本・演出もこなす才能あふれる俳優。記者はあんまり面白いと思わなかった同じTBS系・金ドラ『歌姫』(主演:長瀬智也)も書いている。そしてなんと『花より男子』のドラマ・映画も彼による脚本。だから『スマイル』には、松ジュンと小栗が出ているのね。顔と名前からして宅麻伸の弟かと思ったら、そうではなく『牡丹と薔薇』(THK系)でおなじみの女優の大河内奈々子のダンナさん。最近見ないと思ったら、奈々子は嫁に行って母になってました。

前回の『スマイル』は、大手食品会社の不正による「とんだとばっちり」で、銀行から、ヤバくなった途端に“金返せ”って言ってくる、すなわち「貸しはがし」をされてしまった零細会社の「町村フーズ」。ビト(松本潤)の誕生日の翌日、社長の町村(前田吟)が保険金を残して自殺。悲しみと怒りにうち震えるビトと家族・仲間たち。泣き崩れる娘のしおり(小池栄子)を励ます弁護士・伊東一馬(中井貴一)は、容赦のない質問を浴びせる報道陣の前で「必ず真実を追究する。」と誓った。

宅間いわく、「こちらの脚本は前に出来上がっていたのでえ。」と、言っていたので、企業不正に絡むこういった事態はよく起こる事なのかもしれない。WOWOW『空飛ぶタイヤ』をパクッていたわけじゃないのね。

「ビ〜トちゃん。」と不気味に現れる、不良グループの元リーダー・林誠司(小栗旬)は、かつて自分を落としいれた仲間をリンチしようとビトに持ちかける。そのかつての仲間は暴力団の組員になっており、さらにヤバイ感じに。林は、ジリ貧の元社員の美奈子(村上知子)を買収して週刊誌に「町村フーズ」の悪口を言わせたり、金太(徳山秀典)と、健児(鈴之助)をボコッたり、とにかく真面目にやり直そうとするビトに執着する。その林にビンタする花ちゃん(新垣結衣)。美少女ならではの度胸の良さを見せる。その花が、今度はビトとの待ち合わせ場所から林に連れ去られそうに・・・・。

もうガッキーの貞操がどうというより殴り殺されそうな怖い雰囲気。小栗って、顔と声が甘いから演技も甘いのかと思ったら、大間違い。心の屈折した悪党の物凄い「集中力」を見せる。さすが蜷川組。見ようによっちゃ藤原竜也よりも迫力がある。

でもなんとか大丈夫そうなガッキー。2015年の設定でも生きているみたいだし、また安心して『スマイル』を見つづける事ができそうだ。
ハラハラ、ドキドキ、危なっかしい美少女キャラはまだまだ新垣の専売特許。同じTBS系『僕の妹』の長澤まさみも危なっかしいがガッキーの比じゃない。

小栗とガッキーの印象が強いが、抑えた演技の中井貴一も、パワフルな小池栄子も、(ガイコツは憔悴した演技で、キレイが戻ってきた)いしだあゆみも、前田吟も、金ちゃんもブルも、アリキリの人もみんな精一杯役柄を演じていてドラマを盛り上げている。

差別や不正など、社会情勢を色濃く反映させた骨太のストーリーにのっかる純愛。もしかしたら、『スマイル』は松ジュンファンの女・子供よりも、お父さんたちの方がグッとくるタイプのドラマなのかもしれない。

その松本潤なんだけど、こんだけ脇に頑張られちゃうと、主役で真面目なハーフ美青年・ビトが、なんか薄く見えちゃう。松ジュンだって小栗同様、『花より男子』の道明寺司の時よりは、数段演技が上手くなってるんだけど・・・・。

今からでも遅くない、宅間さん!ビトの“見せ場”をもっと増やしてあげて。

(編集部:クリスタルたまき)

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