インタビュー:麻生久美子「自分的にはよく15年もったなあって思います」
1994年の芸能界デビューから今年15年目を迎える女優・麻生久美子。正統派女優として清楚な雰囲気と唯一無二の存在感で、映画を中心とした数多くの作品に出演。民法の連続ドラマ初主演となった2006年の「時効警察」(テレビ朝日)ではコミカルな演技で新境地を開拓。好評を博し、2007年には続編の「帰ってきた時効警察」も放映された。今回、麻生は「時効警察」の三木聡監督が監督・脚本を務めた「インスタント沼」で主演に起用。ジリ貧OLの沈丁花ハナメとして、体をはった演技を披露した。「デビューから15年も経つことに全然気付かなかった」と話す麻生に撮影の苦労話や、気分転換方法について聞いた。
――「インスタント沼」というタイトルがとても不思議ですが、まず最初に台本を読んだ時の感想は?
麻生久美子(以下、麻生):最初はちょっと、正直面白いのかどうか、よく分からなかったんです(笑)。完成した作品を観た時は、個人的にツボに入った部分があって、共演した皆さんがすごく芸達者なので、笑った所も多かったんですけど。自分の芝居を見ても、「もうちょっとこうすればよかったかな」っていうことばっかり考えてしまって。――三木監督から受けたアドバイスは?
麻生:私は、「時効警察」の三日月しずかとはイメージを離したかったんですね。どうしても重なってしまう部分はあると思いますけど。三木さんに相談しながら、ハナメを創りあげていった感じです。自分の中で、どう言おうか分からないセリフがいくつか出てきて、その度に毎回監督に確認して、どういう風に? どういう顔で?って、けっこう細かく聞きながら演じました。――オープニングの怒濤の細かいカットは本当圧巻というか、まばたき出来ませんでした。
麻生:そうなんですよね(笑)。あそこがいちばん大変でした。――一番苦労した?
麻生:私が本当に飼っている犬が出てきたり、閑静な住宅街をゴミで散らかしてすごく罪悪感を覚えたりとか。あとは、セーラー服で走るのもしんどかったし。ロケ場所の問題もけっこう大変で、駅で背中に「バカ」って書いた紙を貼るシーンはゲリラ的に撮影したんですけど、何回も見つかって、「ここ撮影禁止だよ!」って怒られて逃げたりとか(笑)。少人数で行っても必ず見つかるんです。相当怪しいんでしょうね。――加瀬さんとの共演はいかがでしたか?
麻生:実は7年くらい前に、映画で共演してるんですけど、公開されていないんですよ。――では、実質初共演のような感じで?
麻生:もともと友達だったので、仕事は関係なく何度も会ってるんですけど、芝居をちゃんとやるのは初めてです。こうしたほうがおもしろくなるんじゃないかって、ずっと考えてる方で。アドリブとかも急に出てくるんで、瞬発力がある方だなって思いました。私が加瀬さんの作品で「FROG RIVER」が一番好きなのですが、今回の作品って、加瀬さんの雰囲気がちょっと似てて楽しかったですね。