「格闘技を通じてアニメを広めたい」長島☆自演乙☆雄一郎の再始動

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 2008年、長島☆自演乙☆雄一郎は彗星のようにメディアの表舞台に登場した。初音ミクや涼宮ハルヒをはじめとしたド派手なコスプレ姿で注目を集め、自ら「2ちゃんねらー」「アニメオタク」を自称するキックボクサーは、一躍"時の人"となった。

 当初はその奇抜な入場スタイルばかりが話題になった自演乙も、同年NJKF王座を獲得し、今年2月の「K-1 WORLD MAX 2009」で前回準優勝者のHAYATOを2RKOに斬って落とすと選手としての評価も急上昇。「K-1」進出3戦目にして、初代世界王者アルバート・クラウスと拳を交えることになった。結果、わずか67秒での敗退。練習も通じて「初めて経験した」という衝撃的な失神KOから1カ月を経た長島☆自演乙☆雄一郎に、その本気とも冗談ともつかない姿に隠された本音について語ってもらった。

──前回の試合を振り返って、いかがですか?

「カウンターを狙っていたけど、一度ミスしたらもうダメでした。やっぱり"世界"は違うなぁって。ここからは、負けて這い上がる姿を見てもらいたいですね」

──初めてノックアウトされたそうですが、それで怖さが生まれたりということは?

「それはないですね。ダウンしてからの記憶がないので(笑)。やっぱり格闘技が好きだし、相手が強ければ強いほど楽しいんですよ」

──長島さんが格闘技を始めたきっかけは?

「小学生のとき、犬の散歩をしていたら近所の人に『柔道をやらないか』と誘われて、習い事として始めました。でも全然弱かったですよ。練習もしてなかったし、中学のころは登校拒否みたいなこともしていたし」

──登校拒否をして、アニメを見ていた?

「空を見てました、公園で(笑)。プロの格闘家を意識するようになったのは高校に入ってからですね。高校でフルコンタクト空手を始めたんですが、3年のときに『PRIDE』のヴァンダレイ・シウバを見て、『総合格闘技のプロになりたい』と思ったんです。ちょうど同じ道場で日本拳法も教えていたので習い始めて、大学でも日本拳法部に入って4年間必死で練習しました。アニメは、お金がなかったのでテレビの深夜アニメを見ていました。昔から、生活の大半は格闘技とアニメが占めていましたね」

──試合でコスプレをしようと思ったのは?

「総合格闘技でプロデビューした後、今のジムに移って、キックボクシングでデビューしたんです。それで、3戦目で東京に行くことになったとき、ネットで『ハルヒ』制服のメンズサイズが売っているのを見つけたんですよ。思わず『キタコレー!』って叫びました(笑)。その瞬間、自分の中でアニメと格闘技がつながりましたね」

──コスプレは、周囲に止められるようなことはなかったですか? ジムとか厳しそうですが。

「『勝っても負けてもボロクソに言われるだろうから、覚悟が必要だぞ』とは言われました。でも、最終的には好きにさせてくれましたね」

──観客の反応は?

「日本人はドン引き(笑)。でも外国人の観客には受けがよく、盛り上げてくれました」

──相手選手も「ふざけんな!」って思いますよね。

「でしょうね(笑)。でも、単に目立ちたくてコスプレするわけじゃない。ただ自分が好きなことをしてるだけなんです。たとえ他の誰かに『何してんねん』と思われても、もし勝てばインタビューで、『ハルヒが好き』って言える。そのとき『ハルヒって何だろう』って、誰かが少しでも興味を持ってくれるかもしれない。そうやって自分の好きなアニメを広げていくのが目的なんです」

──アニメと格闘技の架け橋になりたい、と。

「そうですね。格闘技をする人がコスプレしてもいいし、レイヤーが格闘技をしてもいい。そういう輪が広がればいいですね」