アメデオ・モディリアー二の肖像画を通して、人の本質を見抜くために必要な観点を考えます。

アメデオ・モディリアー二は、エコール・ド・パリの代表的な画家として世界に知られている人です。最も馴染みが深いのは、晩年に身近な人々を描いた肖像画だと思いますが、彼の肖像画では、モデルは皆、アースカラーの背景にひっそりと佇むように描かれています。どのモデルも面長で首が長く極端ななで肩で、少し首をかしげているように見えます。そして、何よりも彼独自の肖像画スタイルを特徴づけるのが無表情な顔にあるアーモンド形の瞳のない目でしょう。構図が奇抜でもなく、色調も鮮やかではなく、一見すると地味な人物画です。にもかかわらず、モディリアー二の独自のスタイルで描かれたモデルは、圧倒的な存在感を放ち、見る人を惹きつけます。それは、彼の鋭い人物観察眼のフィルターによって抽出された人の本質が描きだされているからといえます。当初、瞳のあった目が最終的に描かれなくなったのは、顔の表情の裏に隠れたその人の本質に目を向けたかったからではないでしょうか。目があるとついつい反応して顔に注目してしまいますが、アーモンド形の目のモデルを前にするとその人物の存在感に注意を払うことができます。この一見、没個性化とも捉えられるフィルターを使って、モディリアーニは、人の本質を観察する目を鍛え自己のスタイルを確立していったのだと思います。


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