田中達也「エースの誇りを胸に」
今季の田中達也はリーグ戦全4試合で先発メンバーに名を連ねている。切れ味鋭いドリブルや左右両足から放たれる強烈なシュートは対戦相手に脅威を与え、その迫力に減退の兆しは感じられない。今季はさらに、相手守備陣の裏にできたスペースに飛び出して決定的なクロスを供給するプレーを増やし、攻撃にアクセントを生み出している。強豪と対峙するW杯アジア最終予選で貴重な経験を積み重ねる田中の精力的なプレーは、レッズが目指すコンビネーションサッカーに何らかのヒントを与えてくれるに違いない。
W杯アジア最終予選バーレーン戦後のミックスゾーンで会った田中達也は、りりしい顔立ちをしていた。10代のころの物おじしたたたずまいなどみじんも感じられず、20代前半の落ち着きのないしぐさも、今は消え去っている。日本代表の一員としての自覚、そしてレッズの中核を張る責務が、彼の精神を高めているのは間違いない。
日本代表の岡田武史監督は田中に全幅の信頼を置き、最近のAマッチでは彼を常時先発でピッチへ送り出している。田中が実践する攻守両面におけるチームへの貢献が、事態を好転させる鍵であることを理解しているようだ。余談だが、岡田監督は常に田中の動向に気を配り、自身が指揮を執る代表に初招集するかなり以前から、浦和フロントの親しい者と電話でコンタクトを取り、「達也の調子はどうですか?」と聞いていたという。
そして田中も、日本代表のステージでかけがえのない経験を積んでいる。
「とにかく周りにはすごい選手ばかりだから、プレーしやすいです。僕が縦のスペースへ走ると(中村)俊輔さんやヤット(遠藤保仁)さんからスパッとパスが出てくる。それに(大久保)嘉人や玉田(圭司)さんはピッチを動き回って攻守両面で関与してくれる。僕の持ち味も運動量なので、彼らと連動するという意味では効果的ですよね。もちろん僕自身もゴールを狙ってはいますけど、今の僕のポジションからいっても、周りの選手の特長からいっても、僕が無理に得点を取らなくちゃいけないとは思っていない」
ゴールに関するくだりは、こちらから振った質問に対する答えだ。田中は、そのプレーパフォーマンスこそ向上の一途をたどるものの、今季自身が出場した公式戦8試合(日本代表4試合、Jリーグ4試合)で、わずか1得点しか挙げていない。
帝京高時代からプロ入り後数年までの間、田中がドリブルに固執していたのは有名な話だ。しかし「偉大なる先達」福田正博(現浦和コーチ)や「師匠」エメルソン(現フラメンゴ)との出会いによって、彼はストライカーの自我に目覚めた。必殺技のドリブルはゴールを得るための武器となり、左右両足から放たれる強烈なショットは対戦相手に脅威を与えた。
その迫力に減退の兆しはない。それでも今、ゴールが奪えないのはなぜか。
「もともと自分はストライカーじゃないですから。ゴールを取るのが得意なわけじゃない。もっとうまい選手は周りにたくさんいますよ」
田中はそう言って自嘲する。
W杯アジア最終予選バーレーン戦後のミックスゾーンで会った田中達也は、りりしい顔立ちをしていた。10代のころの物おじしたたたずまいなどみじんも感じられず、20代前半の落ち着きのないしぐさも、今は消え去っている。日本代表の一員としての自覚、そしてレッズの中核を張る責務が、彼の精神を高めているのは間違いない。
日本代表の岡田武史監督は田中に全幅の信頼を置き、最近のAマッチでは彼を常時先発でピッチへ送り出している。田中が実践する攻守両面におけるチームへの貢献が、事態を好転させる鍵であることを理解しているようだ。余談だが、岡田監督は常に田中の動向に気を配り、自身が指揮を執る代表に初招集するかなり以前から、浦和フロントの親しい者と電話でコンタクトを取り、「達也の調子はどうですか?」と聞いていたという。
そして田中も、日本代表のステージでかけがえのない経験を積んでいる。
「とにかく周りにはすごい選手ばかりだから、プレーしやすいです。僕が縦のスペースへ走ると(中村)俊輔さんやヤット(遠藤保仁)さんからスパッとパスが出てくる。それに(大久保)嘉人や玉田(圭司)さんはピッチを動き回って攻守両面で関与してくれる。僕の持ち味も運動量なので、彼らと連動するという意味では効果的ですよね。もちろん僕自身もゴールを狙ってはいますけど、今の僕のポジションからいっても、周りの選手の特長からいっても、僕が無理に得点を取らなくちゃいけないとは思っていない」
ゴールに関するくだりは、こちらから振った質問に対する答えだ。田中は、そのプレーパフォーマンスこそ向上の一途をたどるものの、今季自身が出場した公式戦8試合(日本代表4試合、Jリーグ4試合)で、わずか1得点しか挙げていない。
帝京高時代からプロ入り後数年までの間、田中がドリブルに固執していたのは有名な話だ。しかし「偉大なる先達」福田正博(現浦和コーチ)や「師匠」エメルソン(現フラメンゴ)との出会いによって、彼はストライカーの自我に目覚めた。必殺技のドリブルはゴールを得るための武器となり、左右両足から放たれる強烈なショットは対戦相手に脅威を与えた。
その迫力に減退の兆しはない。それでも今、ゴールが奪えないのはなぜか。
「もともと自分はストライカーじゃないですから。ゴールを取るのが得意なわけじゃない。もっとうまい選手は周りにたくさんいますよ」
田中はそう言って自嘲する。
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