インターネットを活用し低価格で生命保険を提供するライフネット生命保険。既存生保に対する問題意識から生まれた同社は、ネット専業の保険会社として幾多の障害を乗り越えて事業開始に至っている。規制にがっちりと守られてきた保険業界に風穴を開けた同社の誕生秘話を探る。



第2回
「当たり前のことを、当たり前にやる。ただし徹底的に」


■出会いと誕生


「実は前職にいたときから、インターネットの可能性には気づいていました。ただ、当時はまだ機が熟していなかったのですね」

かねてから出口氏は、少子高齢化に入る今後の日本での保険業のあり方を模索していた。年齢別人口の推移は確定した未来である。日本で人口が減り始めるターニングポイントも、その後の日本社会の様相も1985年ぐらいにはすでに手にとるようにわかっていたのだ。

「保険会社が生き残る道は3つあると考えていました。一つは証券や投資など他業種への展開、二つめが海外への進出、例えばインドでビジネスを展開している日本の生保会社もあります。そして三つめがセールスパーソンを使わない保険業です。少子化が進むということは、お客様が減るだけではありません。セールスのなり手もこれからいなくなるわけです。そのときどうやって保険を販売するのか」

インターネットが普及し始めた時点で、これがインフラとして使えると出口氏は考えた。そんなときにちょうどタイミングよく、ある人物を介してあすかアセットマネジメントの谷家氏と出会う。

「谷家さんとお会いしたその日に、一緒にインターネットを使った保険会社を作ることが決まっていました。還暦に近い年齢での起業、そのことへのためらいや不安などはまったくなかったですね」

ただし、やるからにはということで出口氏は谷家氏にある条件をつけてパートナーを求める。その条件とは二つ、若いことと生命保険を知らないことだった。


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