三国志についての知識は“孔明の罠”と“げぇっ、関羽”くらいしかなかった私が、入門本として「蒼天航路」を選んだのは「となりの801ちゃん」でチベ君が薦めていたからである。三国志はいつか通らなければならない道、ならば漫画で、と思い立ったのだ。

 表紙は王欣太氏によって描かれた曹操。普段あまり読まない青年漫画の絵柄に押されながらも、恐る恐る手に取る。ページをめくる。字が多い。見慣れないフォルムの漢字がたくさん出てくる。加えて迫力のある王氏の絵柄による暴力と性の描写。正直、1巻を読み終えた時点で心が折れそうだった。しかし私は2巻に手を伸ばす。三国志がどういったものか知りたかったからだ。

 女性ならば一度は考えたことはないだろうか。なぜ男性はあれほど三国志が好きなのか、と。この疑問を801ちゃんにぶつけられたチベ君は『各々が自分の信念や義に殉じて、生きて死んで。それに感情移入するから』と答えていた。わかるようなわからないような。疑問を解消するためには、自分で三国志に触れてみるのが手っ取り早いと私は考えた。

 膨大な時間をかけ、蒼天航路コミックス36巻を読破。三国志のなんたるかを十分に理解できたとはいえないが、チベ君の言葉と相まって少しだけ男性が三国志に惹かれる理由がわかったような気がした。

 曹操、劉備、関羽、孔明といった英雄クラスからモブキャラクターまで、戦う男がわんさか出てくる三国志。それぞれに固有の考え方があり、生き方があるので、読む側にとっては感情移入しやすいキャラクターが1人はいるはずだ。個々が違うキャラクターにスポットを当てながら、大勢で三国志という大きな世界を共有できるのもいいところ。同好の士がいることは、愛をより強め、理解を深くすることにつながる。その場にいる全員が好きだという前提において、『○○だったら誰が好き?』という話が盛り上がらないわけがない。

 またそういった盛り上がりは周囲の人間を巻き込む力がある。その中心にあるのが例えばマニアックなアニメだったりマイナーなアイドルだったりした場合ならどんなに熱を持って薦められても躊躇してしまうだろうが、そこは天下の三国志。ちょっと勉強してみようかな、という方向性に動きやすい。三国志を知ることで損をすることなど一つもないからだ。

 損をすることなど一つもない、まさに私が三国志入門の扉を叩いた理由である。結果、扉との相性もあるのだろうが、三国志は私には少し難しいかな、といった印象を抱いた。漫画としては十分に楽しめたのでもう一度読み返したい気持ちもあるが、少し間を空けたい。横山版は今の私には高すぎる壁だ。もっと私向けの扉はないものか。

 見つけた。「諸葛孔明 時の地平線」、少女漫画誌・flowersで連載されていた作品である。絵はなじみのある少女漫画風、BL要素もなさそうだ。ならばよし!探して読んでみることにしよう。蒼天航路を読み返すのはその後だ。

(編集部:三浦ヨーコ)


【参照】
となりの801ちゃん

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