なぜ最終レースの馬券売上額は大きいのか 競馬と株式投資、負ける人々の共通点とは

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 投資をギャンブルである競馬に例えるとは何事か、と怒られそうですが、投資とはギャンブルではなくともギャンブル性があると私自身は考えています。人間の「欲」が素直に現れるギャンブルから学べるものがあると思います。(バックナンバーはこちら

■株価暴落後に冷静さを欠く投資家心理

 100年に一度の危機と言われる中、日経平均は100年に一度の反騰相場とも言えそうな1ヶ月で約30%の上昇を見せ、ようやく一息ついた格好となりました。

 とはいえ、日経平均株価は未だ1万円下の水準であり、まだまだ企業にとっても、個人投資家にとっても厳しい状況であることに変わりはありません。

 昨年のリーマンショックからの株価(指数)下落により、資産を大きく減らした投資家も少なくないことでしょう。そして、その損失を取り返そうとしている個人投資家も少なくないと思いますが、その取り返そうとする心理から、冷静さを欠いた投資行動をしている投資初心者の方が少なくないように見受けられます。

 今回は、投資初心者が陥りやすい典型的な負け(退場・破産)パターンを、競馬の第12レースに例えてみていきましょう。

■なぜ最終レースの馬券売り上げ額は大きいのか?

 競馬に詳しくない方のためにご説明しますと、競馬は1日に1つの競馬場につき通常12レースが行われます。朝から第1レース、第2レースと順次行われ、第11レースがメインレース、最終レースが第12レースとなります。

 当然ながら、メインレースである第11レースが最も注目が高いレースで有名な競争馬の出走も多く、馬券の売上高が一番大きくなります。

 メインレースである第11レースには(古馬戦であれば)「それなりの馬(データが揃った馬)」が出走します。対して、最終レースである第12レースは無名な馬、データ不足の馬、長いこと勝ちから見放された馬など、予想が難しいレースである場合が少なくありません。

 しかしながら、予想が難しい、注目度の少ない第12レースの売り上げが異常に大きい金額(馬券売り上げ額)になることが少なくありません。

 なぜか? 答えは単純です。第1レースから負け続けた人、メインレースである第11レースで大きく負けた人が、「取り返そう、収支をプラスにしようとして」第12レースに有り金をつぎ込むからです。

 相場が大きく動き、読みを外し、自己資産を大きく減らした、含み損が拡大した投資家(投機家)が、損失分を取り返そうとして、難解な相場展開にも拘わらず、自己投資・投機資金を拡大し「取り返そうとする、収支をプラスにしようとする」行為と、これは非常に似ています。

■取り返そうとする投資家の判断基準

 興味深いのは、その際の馬券購入の判断基準です。負けている人は、すでに馬もレース展開も考えていない場合が少なくないのです。彼らの最も重んじる判断基準は「オッズ」です。(次ページへ続く)


Heyward[著]

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