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【よこ顔】理系出身の公認会計士、異色のプロ歌手=にし孝二さん(中)

2009年04月20日05時38分 / 提供:PJ

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【よこ顔】理系出身の公認会計士、異色のプロ歌手=にし孝二さん(中)
にし孝二さんは、税金に限らず、不動産、技術、法律的なことも含め、複眼的なアドバイスができる。『大人の何でも相談室』の室長と評されている(2月6日、東京、撮影:穂高健一) 写真一覧(3件)
(上)からのつづき。にしさんは慶応大学卒業後、日本ビクターに就職した。採用は海外技術サービス部門だった。「将来は海外で、技術のわかる営業マン、つまりセールス・エンジニアになりたかったのです。米国が好きで、特に米国で仕事をしたかった」と語る。

 日本ビクターは一年で辞めた。「私には会社勤めが合わない、大組織のなかでは自分のやりたいことができない」と判断したからだという。自分の意思で、好きな仕事に取り組めるのは課長職以上。係長は30代で、まとめ役で決定権はない。課長になるまでは約20年間。この下積みを考えると、エベレストを仰ぎ見る感じだったという。

 もう一つ理由があった。実兄がガンで急死したことだった。「打ちひしがれた両親を見ていると、私は両親を日本に残して、海外に行けなかった」と胸のうちを語った。にしさんは国内での再就職を考えた。当時の大手企業となると、新卒でなければ社長などトップにはなれない。中途入社の社員にはハンディーがあった時代だった。

 この先はどうやったら生きていけるのか。「弁護士か公認会計士の資格を取れば、生きていける」と先輩たちからアドバイスがあった。にしさんは理系だから、六法全書よりも、電卓(数字)のほうが取っ付きやすいと考えた。もう一つは、亡兄が慶応大学経済学部卒で、公認会計士だったこともある。「兄の遺志を受け継ぎたい。兄が国家試験に受かったから、自分も合格するだろう」と思った。

 公認会計士の予備校に通いはじめた。「早く合格したかった」という一念があった。「会計学から商法まで、なに一つ学んだことはなかった。なにも知らないから、必死になれました」と話す。1年半で二次試験に合格した。三次試験は3年間の実務を要する。それにも最短で合格したのだ。

 にしさんは合格後、投資家保護とか、公正・証券取引市場の整備とか、そんな理想はありませんでした、という。大手会計事務所ではなく、あえて個人事務所に入所した。大手とは違い、会計監査や税理士業務、不動産鑑定、司法書士など総合的なことが勉強できたという。「20代は知識を吸収する、仕入れる時代でした」。にしさんは同事務所の書棚の大事な書籍は片っ端から、ほとんど読んだという。主要な六法も含めて。

 1983年3月には独立し、開業した。看板は出してみたけれど、売り上げはゼロ。実家住まいだから、生活費のほうは親のすねかじり、事務所費のコストはゼロ。「まさに開店休業でした。時間が余ってしかたないから、スキー、映画、海に行く、気ままな生活でした。この半年から1年が人生の充電期間でした」と語る。やがて、仕事がポツリ、ポツリ入ってきた。

 「どんな相談でも引き受けました。私の仕事の特徴は、依頼された案件について、税金に限らず、不動産、技術、法律的なことも含め、複眼的なアドバイスができることです。弁護士など、他の専門家との通訳にもなれます。複雑な一筋縄ではいかない事案ほど、何とかしてくれると、うちに来てくれます」と話す。『大人の何でも相談室』の室長と評され、1988年10月からは渋谷に事務所を構えるまでになった。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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