どうすれば、この王者を倒すことができるのか? アンデウソン・シウバの完成度の高さは群を抜いている

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4月18日(土・現地時間)、カナダ・ケベック州モントリオールのベル・センターで行われるUFC97『REDEMPTION』。メインイベントはUFC世界ミドル級選手権試合アンデウソン・シウバ×ターレス・レイチ戦だ。

ダナ・ホワイトをして、GSPを差し置いてMMAワールドのP4Pと評される王者アンデウソン。2006年7月にUFC初参戦を果たして以来、8連勝中で判定にもつれ込んだ試合が1試合もないという完璧な強さを見せている。

世界ミドル級王座奪取は、06年10月のリッチ・フランクリン戦で、このレイチ戦が5度目の王座防衛戦となる。この間にライトヘビー級の試合にも出場し、ジェイムス・アーヴィンに圧勝するなど、文字通りP4Pに相応しい戦績を残している王者。

長いリーチとコンパスから繰り出される打撃の切れは抜群で、またその懐の深さを活かし、十分に腰を落とした構えを見せるため、テイクダウンを奪われることも少ない。何よりも、組みついてきた相手には首相撲からヒザ蹴りという必殺のパターンを持っており、スタンドにおいては全く死角が見当たらない。

しかも、決死の覚悟でテイクダウンを奪うことに成功したトラビス・ルターには三角絞めの態勢からエルボーを顔面に叩き込み、あのダン・ヘンダーソンからもリアネイキドチョークで一本勝ちを奪うなど、よしんば寝技に持ち込まれても、柔術黒帯の腕前で、グラウンドワークであってもその長い手足を自在に操ることができる。

対するレイチは、柔術の名門ノヴァウニオンの所属で、MMA戦績は12勝1敗。その一敗が、UFCデビュー戦となったマーティン・カンプマン戦だったが、この敗北以降5連勝中でうち4試合が一本勝ちだ。

オールラウンダーのアンデウソンと違い、完全にグラップラータイプのレイチは、当然、寝技で勝負を仕掛けたいところだ。上記にあるように、アンデウソンのグラウンドワークは何も欠点はないが、ノヴァウニオンで培われたタイトなポジショニング主体の寝技と比較すれば、見劣りしてしまうのはいたしかたない。

ただし、レイチがベルトを手にする上で欠かせない寝技の攻防だが、如何にその展開に持っていくかという部分に課題は残る。あえて王者の寝技を不安材料に挙げたとしても、挑戦者のスタンドから寝技に持ち込むまでのネガティブな要素とは比べようもない。

あるいはジョゼ・アルドやヴァグネイ・ファビアーノ、ホニー・トーレス、レオ・サントスというノヴァウニオン勢のように打撃に長足の進歩を見せるか、またはヴィトー・ヒベイロのように打撃をあしらい、絶妙のタイミングでテイクダウンを仕掛けることができるか。どちらにしても、対戦相手の打撃のレベルがアンデウソンとは差があり過ぎるため、スタンドの王者が有利という見方を覆すことはできない。

ただ、アンデウソンも技術的な面ではなく、モチベーション、気持ちの面で不安が残るのも事実だ。前回パトリック・コーテを迎えた防衛戦では、相手を小馬鹿にしたようなパフォーマンスを繰り返し、ブーイングを浴びた。あの行為が単なるファンサービスでなく、慢心から出たものであれば、厳しい生き残り合戦が続くUFCで連勝中にファイターに足元を救われることも十分に考えられる。

時折、ロイ・ジョーンズJrとのボクシング戦を望む発言や、引退を口にすることもあるアンデウソンだけに、もはや王座防衛に関して、興味を失っているかもしれない――。逆にいえば、アンデウソンの不安要素はそれぐらいしか挙げられない。それほど、完璧な強さを誇っている王者アンデウソン・シウバだ。

■UFC97『REDEMPTION』決定対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル)
ターレス・レイチ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャック・リデル(米国)
マウリシオ・ショーグン(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ブライアン・スタン(米国)
クリジストフ・ソジンスキー(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
チーク・カンゴ(フランス)
アントーニ・ハードンク(オランダ)

<ライトヘビー級/5分3R>
スティーブ・キャントウェル(米国)
ルイス・カーン(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
デニス・カーン(カナダ)
ザビエルル・フォウパポッカム(フランス)

<ミドル級/5分3R>
ネイト・クォーリー(米国)
ジェイソン・マクドナルド(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
エド・ハーマン(米国)
デビッド・ロワゾー(カナダ)

<ライト級/5分3R>
デビッド・ビエルクヘイデン(スウェーデン)
マーク・ボセック(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
長南亮(日本)
TJ・グラント(カナダ)

<ライト級/5分3R>
サム・スタウト(カナダ)
マット・ワイマン(米国)