コールマン戦の勝利でUFC初勝利を挙げたものの、まだ日本で見せていた強さは発揮できてないマウリシオ・ショーグン

写真拡大

今週末4月18日(土・現地時間)にカナダ・ケベック州モントリオールのベル・センターでUFC97『REDEMPTION』が開催される。

メインイベンターの名前ではなく、レデンプション=(約束の)履行という大会タイトルが付けられた今大会。メインではUFC世界ミドル級選手権試合アンデウソン・シウバ×ターレス・レイチのブラジリアン対決が行われる。

セミはライトヘビー級ビッグネーム対決となるチャック・リデル×マウリシオ・ショーグン戦がマッチアップされており、ブラジル人同士のメインに、ビッグネームのリデルの加え、試合が噛み合うことが予想されるショーグンの登用――、GSPのいないモントリオール大会を、UFCの勢いが開催を可能にしたといえるだろう。

とはいっても、カナダという開催地を意識、そして加味した対戦カードが並んでいることも確かだ。ズバリ、カナダ人ファイターが大挙出場する当大会だが、興味深いライトヘビー級のアンダーカードも揃っている。

PPVカードに組み込まれたブライアン・スタン×クリジストフ・ソジンスキー戦の両者は、ともにUFCでキャリアをスタートさせたばかりだが、実力者揃いのライトヘビー級で確実にスポットライトが当てられる存在となるだろう。

ポーランドのワルシャワで生まれ、カナダのウィニペグで育ったソジンスキーは、モントリオールに拠点を置き、TKOでキャリアを重ねた後、IFLを経てTUFシーズン8で注目されたファイターだ。

一方のスタンは横田空軍基地で生を受け、自身も米国海兵隊となり、イラク駐在中には6日間に及ぶ包囲網を42人誰一人命を落とすことなく帰還に導き、シルバースターという勲章を授与されている。

彼が成功に導いたサバイバル劇は、ヒストリーチャンネルで歴史に残る生還劇としてドキュメンタリーで取り扱われるほど有名なストーリーになっている。

そんなバックグラウンドが注目され、MMAファイターとして早々に成功を収めたスタンは、WEC世界ライトヘビー級王座をスティーブ・キャントウェルに明け渡した後、当然のようにUFC移籍を果たした。

打撃主体のスタンと、GnPで強みを発揮した後、チーム・クエスト入りしてからスタンドの打撃を急激に伸ばしたソジンスキー。元WEC世界王者×TUF8ベスト4の顔合わせは、同大会の裏メインといえるだろう。

そのスタンを下し、WEC世界王者からUFCファイターに転じたキャントウェルは、ブラジルの難敵ルイス・カーンとの一戦となる。UFCデビュー戦こそ、グラウンドのヒザ蹴りで反則負けとなったカーンだが、その後はジェイソン・ランバート、そしてソクジュを下し連勝中だ。

昨年10月のソクジュ戦では、ソクジュのインファイトをいなし、強烈なヒザ蹴りからフィニッシュにつなげている。ソクジュのUFCでの活動に引導を渡したカーン相手のファイトは、キャントウェルの真価が見定められる一戦でもある。

そして、プレリミナリーに用意されたライトヘビー級戦、エリオット・マーシャルとヴィニー・マガリャエスの一戦は、TUF8ベスト4と準優勝者の顔合わせだ。

優勝したライアン・ベイダーに敗れた両者、もっともやられようはマガリャエスの方が酷かった。全米ライブ中継の決勝戦で、ワンパンチで勝負を落とした柔術黒帯世界王者は、同じ柔術黒帯のマーシャルとの寝技戦を制し、なんとかその存在感をアピールしたいところだろう。

ただし、寝技はともかくとしてマーシャルは打撃とレスリングの両面でマガリャエスを上回っており、マガリャエスが得意とするフィールドへすぐに持ち込まれるとは思えない。TUF収録後、エクストリーム・クートゥアーでトレーングを積んだマガリャエスが、苦手とする打撃をどこまで克服できたか、そこが勝敗の鍵となるだろう。

セミファイナルのビッグネーム対決だが、最近4試合で1勝3敗のアイスマンと、鳴り物入りでUFC入りを果たしたもののピリッとした動きを見せていないショーグンの対戦は、今後の進退を賭けた一戦と捉えることができる。

リデルやショーグンとはいええ、その躓きが一度や二度でなくなってくると、すぐ後ろには控えるヤングガンズに追いつかれ、追いこされてしまう。そんなUFCライトヘビー級戦線で、トップグループを確保できるのは、どちらになるのか。

二人ともグラスジョー(ガラスのようにもろいアゴ)という点を考えると、勝負はどちらに転ぶか分からない。一点、リデルが有利だとすれば、それはショーグンのスタミナの無さ。マーク・コールマン戦のように攻め疲れが好勝負を生むような幸運は、リデル戦では望めないだけに、そのコンディションが気になるところだ。

■UFC97『REDEMPTION』全対戦カードは次のページへ