5日、藤井省三東大教授は上海で村上春樹氏の新作「1Q84」について講演を行った。同教授によれば、「1Q84」は魯迅に捧げる中国色の濃い作品に仕上がっているという。写真は魯迅。<url name="【その他の写真】" url="http://www.recordchina.co.jp/group/g30302.html">

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2009年4月5日、魯迅研究で知られる文学博士の藤井省三東大教授が、上海市作家協会主催の講演会で村上春樹氏の新作「1Q84(いち・きゅう・はち・よん)」について独自の理論を展開した。文匯読書週報の8日付の報道。
魯迅文学に関する研究や村上春樹作品と中国の関係についての研究で有名な藤井省三教授は、07年に「村上春樹のなかの中国」を出版。世界各国で高い評価を受けている村上作品だが、中国では20代から40代までの比較的若い世代を中心に圧倒的な支持を得ている。その理由について教授は「村上作品が魯迅の影響を受けており、中国の濃厚な香りがするからだ」と指摘した。
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同教授はさらに村上氏の処女作「風の歌を聞け」は魯迅の「野草」の影響を受け、短編「だめになった王国」では主人公をQと名乗らせるほど「阿Q正伝」を強く意識して書かれていると主張。「1Q84」では、タイトルの「1」がアルファベットの大文字「I」につながり、「Q」は名前。つまり「『私はQ』。IQ84の意味だ」と説明。「オーウェルの『1984』を連想させると同時に魯迅作品との深いつながりを感じさせる」としている。
村上作品の中国語訳について、中国人翻訳者・林少華(リン・シャオホア)の訳を「厚化粧の村上作品」、原文に忠実な台湾人翻訳者・頼明珠(ライ・ミンジュ)の訳を「素顔の村上作品」と評した件で、藤井教授は「翻訳の優劣は中国の読者と市場が決めることだ」語るにとどめた。なお最新長編小説「1Q84」(上下巻)は今年5月下旬に発売の予定。(翻訳・編集/本郷)
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