映画。『罪とか罰とか』に出演している永山絢斗(ながやま けんと)の人気が急上昇している。石原さとみ主演のドラマ『パズル』(2008年、テレビ朝日)で注目され、『フレフレ少女』の応援団、最近ではドコモのCMでの堀北真希のバイトの先輩役や、サントリー「なっちゃん」のCMで「もう、あきらめるの?」となっちゃんに呼びかける少年役でもおなじみだ。控えめな演技がキラっと光る注目の若手俳優の魅力に迫る。


永山絢斗(ながやま けんと)は、今年20歳になったばっかりの東京出身の俳優で、最近終了した月9主演の人気俳優と、クリエーターもこなすモデルの二人の兄も芸能人である。
しかし、そんな背景をまるで感じさせない“大物感”のある永山は、訴えかけるような強い眼と、聞きやすく確かなセリフが魅力で、俳優としての実力は兄以上かもしれない。

めずらしくウキウキした女子大生を演じる堀北真希がはじめて行ったバイト先のカフェで出会う、「ちょっとカッコいいかも。」な先輩。これは、NTTドコモ AnswerのCM「バイトはじめる」編での永山の役柄である。記者は、部活マネージャーの募集に名乗り出た成海璃子に「マジで!?」と、問いかける・ 松山ケンイチクンより、「可愛いね、そのケータイ。 それと、君もね。」というセリフの永山クンの方が印象に残った。

彼のセリフの後にくる独特な余韻はサントリー「なっちゃん」CM「路上ライブ」編にも生かされている。一瞬歌を止めるストリートミュージシャンのなっちゃんに、「もう、あきらめるの?」と呼びかける少年。なんともみずみずしい「なっちゃん」。このジュースが売り出されて10年ぐらい経つが これほど“恋を予感させる”CMは初めてだ。とにかく今時点で永山絢斗は、少女たち憧れの「恋のお相手役」にひっぱりだこなのである。

先日、深夜に放送された「第8回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞ドラマ」『ゴーストタウンの花』でも、桜庭ななみ演じる“少々不遇の”主人公16歳のしおりの“初カレ”の役を演じた。昨年TBSで放送された恋愛ドラマ『恋空』でも、主人公ミカが付き合う不良のヒロに対抗するタツヤを演じている。永山には最近の若い男子にない“落ち着き”や独特のウェット感があり、それが魅力的だ。今後この魅力を生かした時代劇や文芸作品の出演にも期待がかかる。

永山絢斗は現在公開中のケラリーノ・サンドロヴィッチが脚本・監督した『罪とか罰とか』で、今をときめく成海璃子と共演している。この映画で永山は、愛情が高まると相手を殺したくなるという“性癖”を持つ警察官の春樹を演じた。“ケラリーノ仕様”の難しい役どころながら、一見やさしいが時として残酷な殺人犯に変わってしまう春樹を上手く演じきっている。『罪とか罰とか』は見た人の感想が真っ二つに別れ、独特のブラック・ユーモアのツボにはまる人とがいる一方、舞台人による映画の“限界” などと理不尽さにがまんできない人もいる。ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督はこの映画の出来には非常に満足しているとブログで述べているが、あまりに賛否両論な『罪とか罰とか』の世評に少々驚いているようだ。
しかし『罪とか罰とか』が、公開1ヶ月を過ぎてもなお都内ミニ・シアター上映作品ランキング10位以内(東京MX、「U・LALA」3月放送より)に入ったのは快挙であり、それは監督や成海人気以上に、永山の魅力の力も大きい。『罪とか罰とか』は、まだまだ公開中なので永山絢斗に興味がある人はぜひ見てほしい。

人気舞台演出家による、今が“旬”の若手俳優起用。永山絢斗はその期待に大きく答えている。彼は乙女ウケする「甘さ」プラス「押さえ」の演技も兼ね備えた、今年ブレイクまちがいなしの、注目イケメン俳優なのだ。

(編集部:空野ひこうき)
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