河村隆一
 4月1日に前作「ORANGE」以来約2年ぶりとなるオリジナルアルバム「ピアノ」を発売する河村隆一。「もっと“生の声”“生の音”を届けたい。みんなの耳にも心にも…。」との気持ちから、3月28日と29日には東京・Bunkamuraオーチャードホールにて、音響機材を一切使用せずに本来の“歌の力”“音の力”に原点回帰したコンサート「No Mic, No Speakers Concert 2009」に挑戦した。

 「No Mic, No Speakers Concert 2009」は28日と29日の2日間計3公演で6,300人を動員し、チケットは即日完売。ゲストには雅楽演奏家の東儀秀樹、ツァオ・レィー、(二胡奏者・上海民族楽団)、ヴァイオリニストの川井郁子、歌手の小湊美和といった豪華なゲストを迎え、静寂の中でスタートした。

 2本のヴァイオリン(TAIRIKU × KENTA)とピアノ(SUGURU)によるインストゥルメンタル・ユニット、TSUKEMENによる「Spain」の演奏から始まり、小湊美和さんによる「外山節」へと進んでいき、民謡のあたたかさを感じるまま黒いスーツに身をまとった河村隆一が登場。ニューシングル「ヒロイン」を力強く、8人編成のカルテットをバックにゆったりと歌唱した。

 MCでは「今回のコンサートは夢の始まりの第一歩。皆とつくりあげるコンサートです。こんな幸せな場所に立てて、本当にありがとう!」と感謝の気持ちを伝え、続くニューアルバム「ピアノ」より「もうすぐ逢えるから」では、カルテットの美しい旋律に身を委ねるように歌う。全く声量の衰えを見せない美声が響き渡り、観客が酔いしれていく中、シングル曲「Once again」を披露した。

 そして二胡奏者のツァオ・レィーを招きいれ、新曲「根付けの鈴」をそれまでの流れとは表情を変え、儚くそして切なく歌う。その後はツァオ・レィーの「チャルダッシュ」の二胡演奏を挟み、「AMAPOLO」のセルフカバーでは伸びやかな歌声が会場中に響き渡った。

 次はバイオリニストの川井郁子を迎え、新曲「潮騒」を題名のごとく囁くように歌い、サビではドラマティックに展開して観客を魅了。流れるように川井の「エル・チョクロ」の情熱的な演奏へと続き、新曲「北へ」をジャジーで大人な雰囲気のアレンジで披露する。そして最後のゲスト東儀秀樹を招きいれると、大人のムード漂う中「柘植の櫛」を歌い、東儀秀樹の「Every Little Life」の演奏へと続いていった。

 コンサート終盤では「今までの道のりを思い出しながら歌います」と述べると、「Time To Say Goodbye」「マイウエイ」とカバー曲を続けて熱唱。アンコールに突入し、メンバー紹介後には色褪せない名曲「Love is...」、続く環境サミットのテーマソングとして制作された「緑の詩」では、「この詩をみなさんと一緒に、この会場で響かせたい」という河村の希望で、開場時に歌詞チラシが配られ、大合唱で会場は一つとなった。

 最後に河村は「本当に幸せでしたどうもありがとう!」と述べて、ステージを去る。本来ならここで終了だったはずが、サプライズでもう一度アンコールが行われ、。ファンの間ではおなじみの「深愛〜only one〜」を演奏。ニューアルバム「ピアノ」収録曲をはじめ全13曲を披露し、コンサート中に何度も「本当にありがとう」と感謝の気持ちを伝える河村隆一の姿が印象的だった。

 5月20日からは八王子市民会館を皮切りに8月22日の東京国際フォーラム・ホールAまで、全国23公演のツアー「河村隆一Tour2009 “Piano”〜色褪せる事のない旋律〜」を開催する。


もっと"生の声"や"生の音"を届けたい。みんなの耳にも、心にも…。そんな事を強く想いながら今年1年を過ごして来ました。この世に歌や音楽、演ずるというものが生まれた時、どのようにして奏でられ、どのようにして届けられたのか…?既に音響機材や録音機材がこの世に存在している時代に生を受けた僕が、もし、そのような機材が無い時代に生まれていたとしたら…。そのような気持ちからこのような企画を立ち上げました。当日は音響機材を使用せず、本来の"歌の力"、"音の力"というものに原点回帰してチャレンジしてみたいと思います。そして、こんな僕の想いに賛同していただける方々がいるのならと思い、現在僕以外にもゲストアーティストを考えています。その方々は、歌手なのか?奏者なのか?パフォーマーなのか?現時点では何も言えませんが、1人でも多くの"本物"と言われる方々に参加していただき、この企画を長い年月を掛けて育てて行きたいと思っています。又、今の世の中が少しでも幸せな空間になってくれる事を、この地球上の自然や風景がこれからもずっと変わらないように、僕なりの方法で、この企画では電力の排出を最小限に抑えながら、『地球温暖化防止』というものにも取り組んで行こうと思っています。

2008年12月1日 河村 隆一

河村隆一LUNA SEA - アーティスト情報

■関連記事
河村隆一、待望のニューアルバムで和装に初挑戦(2009年02月14日)
LUNA SEA、一夜限りの復活ライブを完全収録(2008年03月26日)
LUNA SEA、一夜限りの復活(2007年12月25日)
LUNA SEA、一夜限りの復活ライブが即完(2007年10月29日)