ゲーム産業はサイクルに基づいている、という考え方がある。しかし、ニンテンドーDSは例外のようだ。09/3期は、欧米での拡大、日本におけるDSi発売などの理由により、従来であればピークアウトする時期だが、高水準を維持する見込みである。08/3期においても同様のピークアウトの見方が存在したが、それも覆された結果だった。今回はこのサイクルについて考えてみたい。【バックナンバーはこちら】

■原因1:Wiiにも共通する、ターゲットの拡大

 DSがゲーム業界のサイクルから逸脱している理由。それは、より幅広いユーザーに受け入れられていることもあるが、地域展開とハードのシリーズ展開によるだろう。さらなるライトユーザー層への普及や、従来、任天堂が苦手としてきたヘビーユーザー層への普及に成功すれば、今後も普及台数が拡大する可能性が高い。

 同様の議論はWiiに関しても当てはまり、今後の普及の余地は大きいとみられる。こちらも、従来のゲームサイクル論が当てはまらなくなる可能性が高いだろう。

■原因2:DSに代わる次世代ハードが登場しない

 ゲーム産業のサイクルを生み出す1つの要因として、次世代ハードの登場が考えられる。次世代ハードへの端境期においては、開発リソースとハードの普及台数のミスマッチが生じることから、ソフトの販売本数が落ち込み、それがピークアウトの1つの要因となってきた。

 しかし、現在の状況を考慮すると、以下の理由から、今後4〜5年程度は次世代機の発売はないと考えられる。
次世代ハードに求められる機能は「単なる高性能」ではない

 第一に、次世代ハードに求められる機能への各社の模索がある。WiiとDSの成功によって、高性能への進化というベクトルは否定された。これを考慮すると、短絡的にハードスペックの向上というわけにはいかないだろう。

 PS2からPS3へのシフトで、ソニーのシェアが大きく低下した現状をみれば、次世代ハードの開発に、容易に踏み切るわけにはいかないだろう。
各社が模索するのは、ネットからの収益

 第二に、インターネットの接続比率が高くなっていることがある。これは、Wiiだけに限らず、PS3やXbox360も同様だ。ハードウェアでの機能追加だけではなく、ソフトレベルで機能が追加しやすくなったのだ。

 また、ハード、ソフトという従来の収益源の他に、インターネットサービスでの収益源を各社が模索しており、この成果を見極めるまでは、当面は現在のプラットフォームを維持すると予想される。これは、携帯型でも同様の状況となっているといえる。(次ページへ続く)


岡三証券シニアアナリスト 森田 正司[著]

■関連記事

任天堂「DSi」欧米で2日で60万台突破 海外でのゲーム機販売では最速ペース[2009年04月10日]

DS、史上最速ペースで1億台突破 ファンに語り継がれる任天堂伝説[2009年03月21日]

米国アップルユーザーにも注目集めた、米誌「日本人は iPhone が嫌い」論争の顛末[2009年03月06日]

大企業で相次ぐ「サプライズ人事」 トップ交代で新社長に再生託す[2009年03月03日]

ソニー、ストリンガー会長の社長兼務 異例の人事の狙いは「トップダウン経営」[2009年03月03日]



■記事全文へ