今回の【ドラマの女王】は最終回を迎えた『 ヴォイス 〜 命なき者の声 〜 』(フジテレビ系)。遺体を解剖して亡くなった人の“声”に耳を傾ける「法医学」という一見、硬っくるしくなりがちなテーマを、なにげに美男美女を集めたキャストに爽やかすぎてもどかしい恋愛を絡め、ありがちな青春モノに仕立てたこのドラマ。同じく亡くなった後のアレコレを扱った「おくりびと」効果も手伝って高視聴率をたたき出した。ゼミ生たちの結末は?

K-1 WORLD MAX 2009 トーナメントや、河口恭吾の地球レポートなど、中盤にTBSの魅力的な特番が多かったにもかかわらず、視聴率トップだった今回の月9。瑛太や石原さとみ、生田斗真と若い男二人。大人組は時任三郎、産後の矢田亜希子、泉谷しげる。なんかあんまり華のないキャストだがよく頑張ったと思う。やはり、ストーリーが良かったのか。

最終回の内容をザッと説明すると・・・
相変わらずスゴい色のコートを着た大己(瑛太)や、背の低い佳奈子(石原さとみ)と若い男三人は、学生なのに“ご遺体を通して”事件に首をつっこんでいた。
そこへ、刺されて死んだダンカンが運ばれてきて刺した女子高生が正当防衛を主張する。どうも不自然な正当防衛を疑ってかかる佐川(時任三郎)の話を玲子(矢田亜希子)から聞かされた大己。実は自殺した女子高生の友達の事をずっと気にかけていたダンカン(役名は成瀬)は、自分の責任と刺されて抵抗しなかった事が分かる。女子高生が殺意を自供して一件落着。ゼミ生たちはゼミの終了と共にそれぞれの道を歩いていく・・・・。

といったもの。アメリカの研修に旅立つ佳奈子をリムジンバス乗り場まで見送る大己。ちびっ子の石原はバスのステップに一段上がって、アイスクリームの棒みたいに平たいノッポの瑛太に軽いキス。ヒューヒュー、若いから許されるのね。(実際石原さとみがメチャ可愛い。)それに比べて矢田亜希子、思ったより年下の学生(生田斗真)を惑わす“魔的”な魅力に欠けていた。外見は変わらないのに昔と何かが違う感じ。やっぱり私生活がスッキリしないから?

あんまりにも学生に首をつっこませた責任をとって大学を去る佐川。後任は矢田の玲子センセイ。彼女はゼミ生が全員最後まで残ったことで「賭け」に負ける。
その他の男三人が片付いて、(病院ついだり、法医学続けたり・・)残った主人公の大己は、法医学を続けようか普通の医者になろうか悩んでしまう。

そこに、佐川の15年前の大事件のとって付けたようなエピソードを聞き、やっぱり法医学を続ける事にする大己は空を見上げる。

ああ、キイナのように最終回にして派手な事件も起こらず、予定調和な最終回。
もう少し、「法医学」という特殊な医学を勉強する学生たちの進路についての悩みや、選ぶ科によって収入や激務度に落差がある“日本の医療の現実”を描写してもいいと思う。何で法医学が「特殊な医学」かと言うと、やる人がいないから。さらに“治す事の無い”医療が軽視されているから。と、法医学を阻む要因はいくらでもある。
その辺をスルーして、佐川の語る「きれいごと」にばかりほだされて、大事な将来を決めてしまう大己の将来が心配だ。

連続ドラマ的にも全体的に地味でどこが盛り上がったのかよくわからないあたり、穏やかなそれはそれでいいのかもしれないが、記者には退屈すぎて途中、K-1 の長島☆自演乙☆雄一郎や、河口恭吾に浮気してしまった。つるっとした瑛太や石原の顔にはそれ程の“縛り”を感じないのも事実。何がなんでも見なくてもいいドラマ。それが「ヴォイス」だったりして。

(編集部:クリスタルたまき)

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