“こんな楽しいクラシックのコンサートは初めて”アンサンブル・ベガの愉快なコンサート

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"クラシック音楽"と聴いて、「長い」「堅苦しい」「退屈」というイメージを持つ人は多いだろう。
しかし、大人が芸術に触れるとか、子弟の情操教育というテーマを掲げると、やっぱりクラシック音楽鑑賞は上位にランクするものだ。
そこで、堅苦しくなくて、楽しくて、気軽に楽しめる音楽として近年有名になっているアンサンブルを紹介したい。
NHK教育の「クインテット」に登場する”アキラさん”こと宮川彬良氏率いる「アンサンブル・ベガ」である。



アンサンブルベガの創立は1998年、阪神淡路大震災からの心の復興を目的として結成され、昨年2008年に創立10周年を迎えた。
編成はヴァイオリン ×2 、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ファゴット、クラリネット、ホルン、ピアノという9人編成だ。クラシックの分類では室内楽と呼ばれる編成になる。


(写真:堀田力丸)

アンサンブル・ベガのコンサートの楽しさは、「台本・お話・演奏」の三拍子が揃った「ショー仕立てのステージ」にある。
たとえば名物コーナー「音符の国ツアー」では、非常に有名なプッチーニのオペラ「蝶々夫人」を取り上げ、ヒロインの々さんと、お相手のピンカートンの役を一人で宮川氏が一人でこなして、"ヨヨ"と泣き崩れるところなど、プロ顔負けの芝居を披露している。そしてその合間に「々夫人」のアリアのメロディを紹介するというシナリオだ。

そして、アンサンブル・ベガのレパートリーは純粋クラシック音楽に留まらない。有名どころでは宝塚のテーマとなっている「すみれの花咲く部屋(頃)」、そしてビートルズナンバー、作曲家である宮川彬良氏のオリジナル曲である、(全3楽章のソナタ)「ブラック・ジャック」や、宮川氏の名前を有名にした「マツケンサンバII」など楽しい曲が盛りだくさんだ。

こういうレパートリーを演奏していると、お堅いクラシックファンからは「あれはセミクラシックだ」と軽く見られることがあるが、それは誤解である。クラシック音楽に詳しい人なら、この楽器編成を見れば、様々な室内楽フォーマットに対応できることがわかるだろう。

実はアンサンブル・ベガのコンサートでは、1曲はかならず"正統派"クラシックの名曲を演奏するのだそうだ。これまでにもシューベルトの「八重奏曲」やベートーヴェンの「七重奏曲」、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」などを演奏してきている。まさに、小さな子供から本格的クラシックファンまで楽しめるアンサンブルなのだ。


ゲストとの共演もある。これまでには日本を代表するソプラノ歌手鮫島有美子さんや、チベットの歌手バイマーヤンジンとの共演を果たしている。

自治体などで開催する「ファミリーコンサート」に、アンサンブル・ベガを招請してみてはどうだろうか。ただ漫然とクラシックの小品を演奏するだけのコンサートは、初心者にとってはツラい。アンサンブル・ベガなら、お芝居有り、音楽あり、お話ありの楽しいコンサートになって、大人も子供も満足すること間違いなしだ。

そんなアンサンブル・ベガのセカンドアルバムがまもなくリリースされ、発売記念コンサートも開催される。
詳細は次のとおりだ。

第二回東京定期演奏会&2ndアルバム発売記念
  宮川彬良&アンサンブル・ベガ
『愛❤の練習!』〜涙と微笑みのための8章

【プログラム】
『愛❤の練習!』〜涙と微笑みのための8章
   
[第1章 ♥いつもの愛について」
♪『すみれの花咲く部屋』  ・・・F.デーレ・宮川彬良
[第2章 ♥踊る愛 について]
♪『剣の舞』(バレエ『ガヤネー』から)・・・ハチャトゥリアン
♪『四羽の白鳥の踊り』(バレエ『白鳥の湖』から)・・・チャイコフスキー
[第3章 ♥はるかな愛について]
♪『バッハのメヌエット』(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽手帳から) ・・・バッハ
♪『ダニーボーイ』・・・アイルランド古謡
[第4章 ♥誇り高き愛について]〜アンベガ名物『音符の国ツアー』
♪『蝶々夫人』の真実!  ・・・プッチーニ
[第5章 ♥60’sの愛について ]
♪『ミッシェル』・・・ビートルズ
[第6章 ♥フレンチな愛について]
♪『シェリーに口づけ』・・・M.ポルナレフ
[第7章 ♥ひそやかな愛について]
♪『愛の挨拶』 ・・・エルガー
♪『セレナーデ』・・・シューベルト 
[第8章 ♥人生を見つめる愛について]
♪組曲『屋根の上のヴィオリン弾き』
(Tradition〜SunriseSunset〜BottleDance) ・・・J.ボック

テーマは「愛」である。人生におけるさまざまな愛が、アンサンブル・ベガの音楽世界に乗って楽しく語られるに違いない。
演奏曲目は、タイトルは知らなくても、聴けば「あ!この曲ね」という作品ばかりだ。ラフな洋服を着て、エンタを観る気分で聴きたいものである。
(編集部:真田裕一)

【参照】
おふぃすベガオフィシャル・サイト
宮川彬良
公演詳細
2ndアルバム