任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」シリーズの世界累計販売台数が今月6日に1億台を突破した。なぜこれだけ多くのユーザーに支持され続けているのか。

 任天堂は3月に入り、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」シリーズの世界累計販売台数が1億台を突破したと発表した。2004年11月の発売以来、4年3ヶ月での大台突破は家庭用ゲーム機で史上最速となる。

 トヨタ自動車をはじめ、国内の有力企業が世界的な不景気の影響を受け、軒並み経営不振に陥るなかで、任天堂は好調を維持している。従業員1人あたりの売上高は10億円近くにも上り、同じく1人あたりの当期純利益は1億3200万円と「超」が付くほどの高収益企業だ。

 1億台を突破したDSシリーズは2画面を備え、タッチパネルで簡単に操作できるのが特徴。人気ソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」などが従来のゲームユーザー層である若者だけでなく、大人や女性、子どもなど幅広い年齢層のファンを全世界から人気を集め、DSシリーズを普及させた。

「ゲーム機ではなく夢を売る会社」として、やみくもにゲーム機の高性能化を追わず、ゲーム本来が持つ娯楽性を追及する任天堂だが、それにしてもなぜこれだけ多くのユーザーに支持され続けているのか。ファンの間ではこんな逸話も流れている。

 ある子どもが「ニンテンドーDS」を愛用していたのだが、壊してしまった。保証期間が過ぎていたがしょうがなく修理に出すと、無料で対応してもらったうえに、ゲーム機は新品と交換された状態で戻ってきたというのだ。さらに驚くべきことに壊れたゲーム機に子どもが貼っていたシールがきれいにはがされて、同じように新品に貼り直してあったという――。

 事の真偽は不明だが、こうした「任天堂伝説」は他にもいくつか存在し、ファンの間で流れている。ユーザー目線の企業というイメージがファンの間で広まっていることが同社のブランド力を高める一因にもなっている。DSシリーズ第3弾の「DSi」は昨年11月に国内で発売し、販売も好調に推移しており、来月からはいよいよ海外販売も始まる。エンターテインメント業界は他社との競争が激しい上に、市場環境の変化も受けやすく、その中で継続して事業を成長させていくのは容易ではないが、国内外でファンを増やしながら、同社はDS販売戦略の最終目標である「1人1台」の普及に着実に近づいている。

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MONEYzine編集部[著]

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