先日、「Yahoo!リサーチ」を運営するヤフーバリューインサイトが行った「情報メディア」に関する調査で、「新聞」「ラジオ」に次ぐ信用度とされた「利用者が編集可能なフリー百科事典」。でも、同カテゴリで圧倒的な規模を誇る「Wikipedia」にはある種の“違和感”を感じるユーザーが多く、その信用度について疑わしいという声もネットの各所から挙がっている。

当サイトにも「Wikipedia」については「信用はしないほうが良いと思う」「信頼性に幅がある」「書き手が多い分、英語版のほうが正確」「“参考資料Wikipedia”はやめて欲しい」との声が寄せられており、そこそこネットに詳しい人からすれば、「『Wikipedia』を信用しすぎるのは危険」というのは半ば“常識”だ。では、具体的にどのようなところが「信用できない」ところなのだろうか。

例えば著名人の項目。最近1か月に限っても、複数の著名人が自身の項目について「間違っている」ことを指摘している。早稲田大学名誉教授の大槻義彦氏は、3月17日付けの公式ブログのエントリー「ウィキペディアのでたらめ」で「Wikipedia」を批判。白装束教団パナウェーブの「スカラー電磁波」に対する解釈で、大槻氏の発言が歪曲された状態で掲載されており、「とくに『発言』の項目がでたらめです」と注意を促している。そして「明らかにオカルト、あるいはオカルトモドキの連中によって勝手に編集され、目を覆うばかりの文章になっている」と怒り心頭だ。

L’Arc〜en〜CielのHYDEは、「Wikipedia」にたびたび書き込まれ、ネットで盛んに検証が行われてきた「身長156センチ」説を、2月に発売された雑誌「Monthly Vamps(vol.08)」で完全否定。「だいたいオレは150センチ台でもないのに嘘の情報でよくこれだけ盛り上がれるよ」とコメントし、文面からも呆れている様子がうかがえる。また、それ以外にも「バンド遍歴からして違う」と、「Wikipedia」の記述を一刀両断だ。

怒ってはいないものの、出身地に対する誤りを指摘する著名人も多い。岩手県出身の福田萌は、先日「いわて文化大使」に任命され、そのことを公式ブログで報告した際に「Wikipediaでは盛岡市出身となってますが、実際はその隣の滝沢村です♪ 誰か直してくれませんかね??」と訂正を希望。また、以前前田健も公式ブログで「『荒川区出身』ってなってたみたいですけど、嘘ですよ。杉並区出身です」と指摘していたことがある。

従来の百科事典にはない項目も膨大な数に上る「Wikipedia」は確かに便利。信用度を上げるための取り組みを「Wikipedia」も実施しているが、まだまだ全幅の信頼を置くには時期尚早なのかもしれない。そうしたことを踏まえつつ、上手く利用していきたいところだ。