谷原章介(撮影:野原誠治)
 1995年、映画「花より男子」の道明寺司役で俳優としてデビュー後、数多くのドラマ・映画に出演している俳優・谷原章介。俳優としての活動のみならず、2007年には約10年半に渡り司会を務めた寺脇康文の後任として「王様のブランチ」(TBS)の司会に起用。端正なルックスながら時おり見せる“3枚目キャラ”でお茶の間での高い人気を獲得している。そんな演技力、キャラクターの幅の広さから2008年11月に公開された映画「ハンサム★スーツ」の主役に抜擢。同じく主役である塚地武雅演じる琢郎が不思議なスーツを身に着けると谷原演じるハンサムなファッションモデル、光山杏仁に変身するという画期的なストーリーが話題を呼び大ヒットを記録。今回は、「ハンサム★スーツ」のDVD発売を記念し、谷原が考えるハンサムな男像にせまった。

――最初に、台本を読んだ時どのような感想を持ちましたか?

谷原章介(以下、谷原):鈴木おさむさんの原作を読んだ時、本当に面白くてあっという間に読んでしまって。もちろんコメディとしても面白いし、人間の真理がきちんと描かれていて。

――谷原さんが満面の笑顔で手を広げながら道をかけぬけていくシーンが大好きです。

谷原:ありがとうございます! これ本当バカですよね。やり過ぎというか(笑)。

――まさに体当たりの演技って感じですね。

谷原:そうですね。でも、こういうコミカルな役を演じるのは初めてではなかったんです。やり過ぎのキャラクターは何度かやらせていただいていて。この作品は僕の中身が、“本当は塚地さん”っていう面白い設定なので、撮影前に塚時さんと動きのことについて細かく話しましたね。歩き方をちょっとがにまたにしたり、あとは往年のギャグを思い切りやってみたり。

――現場で印象に残ってる思い出はありますか?

谷原:ずっと楽しい現場だったんですが、英(はなぶさ)監督がすごく素敵なんですよ。ある日の撮影で、すごく大きな鼻くそが鼻についていたことがあって(笑)。現場入った瞬間に僕は発見したんですけど、面白いのでしばらくだまっておこうと思って。塚地さんとかに「見て見て!」って教えて、みんなでひとしきり笑ったんですけど、しばらくしても全然気付かないんですよ。

――(笑)。ちょっと鈍感な方なんですかね?

谷原:そうなのかもしれませんね。それでお昼にお弁当を食べた時にも気付かなくて、そんな状態でお弁当食べたら普通気になると思うんですけど(笑)。それで、「監督、ついてますよ」って教えたら恥ずかしがることも、驚くこともなく、「あ、本当だ」ってそれだけで。そこに、僕はすごく男として、人間としての懐の広さを感じました。

――全く動じず、受け止めたわけですね。

谷原:そのピンチに慌てない姿、とても素敵だと思いました。