国内で780万台、世界で4,500万台を販売するなど、現行の据え置き型ゲーム機では断トツの売れ行きを見せる任天堂の「Wii」。「龍が如く3」に湧く「プレイステーション3」や、売上が伸びてきた「Xbox360」に話題をさらわれることもあるが、普及台数の面ではまだまだ「Wii」に一日の長がある。でもここ最近、任天堂が見せる「Wii」の販売戦略に、ヘビーユーザーからの不満はさらに拡大しているようだ。

「Wii」はライトユーザーを意識するあまり、ヘビーユーザーをないがしろにしているとの声は、以前からよく聞かれてきた。300万本以上売れている「Wii Sports」や「Wii Fit」、200万本以上売れている「はじめてのWii」など、「Wii」のユーザー層を拡大しているソフトはライトユーザーに受けが良い反面、純粋にゲームを楽しみたい層からはあまり評価されていない。

それでも任天堂は、これまでの資産を活かした「街へいこうよ どうぶつの森」「マリオカートWii」「大乱闘スマッシュブラザーズX」といった人気シリーズの新作も並行して投入してきた。旧来の任天堂ハードユーザーや任天堂ファンも楽しめるようなソフトを「Wii」向けに供給してきたわけだが、この半年間を振り返ってみると任天堂の販売戦略に変化が見られ、これがヘビーユーザーの不評を買ってしまっているようだ。

ゲーム系の話題を扱う人気ブログ「M☆G☆M+etc...」では、「任天堂のWiiへのソフト供給に対する不満」と題したエントリーで、この半年に販売された「Wii」向けの任天堂ソフトをまとめている。

☆昨年10月以降に販売された「Wii」向け任天堂ソフト
08年10月「Wii Music」
08年11月「街へいこうよ どうぶつの森」
08年12月「Wiiであそぶ ドンキーコングジャングルビート」
08年12月「Wiiであそぶ ピクミン」
09年01月「Wiiであそぶ マリオテニスGC」
09年02月「アナザーコード:R 記憶の扉」
09年02月「Wiiであそぶ メトロイドプライム」
09年03月「Wiiであそぶ ピクミン2」
(「M☆G☆M+etc...」および任天堂公式サイトより抜粋)

こうして見ると、毎月1〜2本程度のペースで新作が発売されているように見えるが、「Wiiであそぶセレクション」シリーズは、かつて任天堂が販売していた「ゲームキューブ」向けのソフトをWiiリモコンで操作できるように“改修”したもので、純然たる新作とは言い難い。このシリーズを差し引いて考えると、昨年10月から現在までの半年で、「Wii」向けに発売された任天堂のソフトは「Wii Music」「街へいこうよ どうぶつの森」「アナザーコード:R 記憶の扉」のわずかに3本ということになる。

ヘビーユーザーほど「ゲームキューブ」でも遊んだ経験を持つ人が多いため、こうした現状が不満に繋がるのは想像に難くない。もちろん「Wiiであそぶセレクション」シリーズの作品は「優れたゲーム」であることを誰もが認めるものばかりなので、シリーズ自体が悪いということではなく、あくまでも新作のほとんどが「Wiiであそぶセレクション」シリーズという状況が不満の種となっているわけだ。

ブログ「M☆G☆M+etc...」では、ヘビーユーザーとしての自身の感想をつづりながら、「Wiiは開発がしやすいハードだったのではないか」「Wii独自デバイスを活かしたゲーム開発に苦労しているのだろうか」と疑問を投げかけている。そして同ブログのコメント欄には、「不満に思う人がここまで多いのは私も異常だと思います」「GCの焼き直しで時間を稼いでばっかりで本命ソフトがほとんど発売されなくてイライラします」など、同じような不満の声がズラリと並んでいる状態だ。ちなみに、同ブログのエントリーは任天堂を愛しているがゆえの“叱咤激励”といった内容。決して任天堂を攻撃しているわけではないことは書き添えておく。

なお、昨秋の「任天堂カンファレンス 2008.秋」で公開された今後の「Wii」ソフトのラインアップでは、任天堂のソフトもいくつか発表されている。

☆今後発売される任天堂の「Wii」向けソフト例(発表済みのもの)
「Wii Sports Resort」(今春)
「100語でスタート!英会話(仮称)」(2009年)
「Punch-Out!!」(2009年)
「ケンサクス(仮称)」(2009年)
「コズミックウォーカー(仮称)」(2009年)
「スパーン スマッシャー(仮称)」(2009年)
「ダイナミック斬(仮称)」(2009年)
「タクトオブマジック(仮称)」(2009年)
「罪と罰2(仮称)」(2009年)
「フォーエバーブルー2 Beautiful Ocean(仮称)」(2009年)
「みんなが主役のNHK紅白クイズ合戦(仮称)」(2009年)
「ラインアタックヒーローズ(仮称)」(2009年)

このラインアップを見る限り、ライトユーザー向けのソフトばかりというわけではないが、「マリオ」や「ゼルダ」などの名を冠したビッグタイトルと呼べるようなソフトがないのも事実。ヘビーユーザーや旧来の任天堂ファンを満足させるようなソフトが発表されるまで、しばらくは不満の声は出続けることになりそうだ。