王者プリウスの不気味 5月の全面改良で弾丸スタートなるか

写真拡大

 2月の新車販売ランキングで、ホンダの「インサイト」がトヨタの「プリウス」を上回った。プリウスは5月の全面改良控えているが弾丸スタートとなるか。

 自動車業界団体が5日まとめた2月の新車販売ランキングでは、先月発売のホンダのハイブリッド車「インサイト」が登録車(排気量660cc超)部門の10位に入り、同じくハイブリッド車のトヨタ自動車の同「プリウス」の12位を上回った。

 インサイトは月間販売目標(5000台)の3倍となる1万5000台超を受注したものの、納車が追いつかず4906台だったが、もし納車が間に合っていればさらに上位に進出していた可能性が高い。インサイトが好スタートを切ったことでホンダは新社長となる伊東孝紳氏も「燃費や環境性能に優れた車を比較的求めやすい値段で提供していく」と意気込んでいる。

 一方でインサイトとフォルムが似ており、何かとライバルとして比較されるプリウスは一時的に買い控えが進み、4524台と前年同月比2割減の12位に終わった。ただし2代目となる現行のプリウスはすでにモデル末期の状態。5年以上も前となる03年9月に発売後、全面改良は行っていないが、09年1月の新車販売ランキングでは5730台を販売し、5位につけている。モデル末期の車がこれだけ長い間売れ続けるのは異例の人気で、一時的に追い抜いたもののホンダにしてみれば不気味な存在だ。

 そのプリウスは5月に3代目となる新モデルの投入を予定している。排気量を1500ccから1800ccにアップさせるが、燃費性能は現行モデルよりさらに1割程度向上し、1リットル当たり39キロに改善する。ハイブリッド業界をリードしてきたプリウスの全面改良だけに大きな注目が集まるのは間違いなく、また4月から政府が導入する「エコカー減税」の追い風もあって、トヨタ関係者は弾丸スタートを期待している。

 唯一懸念されるのは、機能向上にともなってアップした価格だろうか。予想販売価格は250万円スタートと、実にインサイト(最低価格189万円)より約60万円も高くなってしまう。ただ低価格のハイブリッド車を求める消費者がホンダに流れるのを防ぐために、いまだ人気の現行モデルを200万円前後に価格を引き下げて新型とともに併売する予定だ。トヨタの戦略が狙い通りにいけば、新車販売ランキングの上位の常連としてプリウスが再び顔を出す可能性は高そうだ。

【関連記事】
トヨタ、異例ともいえる「プリウス新旧モデル併売戦略」
月間目標3倍「インサイト効果」でホンダは国内販売計画を変更
国内自動車メーカー減産縮小の兆し トヨタ、日産で在庫調整が進展
トヨタ「来期V字回復」のシナリオ 59年ぶり赤字決算の裏側にある狙い


MONEYzine編集部[著]

■記事全文へ