ウォン安に飲み込まれた隣国「韓国経済の現実」

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 アジア各国の中でもとくに金融危機の影響が大きいといわれる韓国。同国経済は通貨ウォンの下落と輸出急減のダブルショックに苦しんでいる。

 米国発の世界的な金融危機はアジア各国に景気後退をもたらしているが、その中でも深刻なダメージを受けているのが韓国だ。韓国の通貨であるウォンはその価値が下落し、輸出も急減し、1997年に起こったアジア危機以来の苦境に立たされている。

 2008年10-12月の国内総生産(GDP)が前期比5.6%と急激に落ち込んだ韓国経済。アジア危機の影響を受けた98年の1-3月期に7.8%年を記録した以来のマイナス成長だ。07年に4-5%あったGDPは08年には2.5%にダウン。国際通貨基金(IMF)は今年の韓国のGDPはさらに4%減ると予想している。これは08年11月に開かれた金融サミットの構成メンバー20ヵ国・地域でもっともきびしい数字だ。

 日本企業は昨年末から円高に悩まされてきたが、韓国の場合は通貨安に苦しんでいる。昨年9月のリーマン・ショック以降、韓国通貨のウォンは米ドルなどに対し、下落を続け、円に対しても07年春から約半分の価値まで下がってしまった。韓国はこれまで金融の規制緩和を進め、外資金融機関を受け入れてきたが、金融危機の到来が信用収縮をもたらすと、韓国に進出していた欧米の金融機関がいっせいに投資資金を引き揚げてしまった。また世界的な需要の冷え込みもあって、08年10-12月期は海外輸出が前期比10%以上も急減したことで、同国経済の不調を嫌がり、ウォン売りが進んでしまった。

 企業も苦しんでいる。韓国のサムスン電子は、一時期同国の輸出の2割近くを占めていたほど規模の大きな世界的企業だが、08年10-12月期は四半期ベースで初の赤字に陥ってしまった。他にもLG電子やハイニックス半導体や国内5位の自動車メーカーが経営破たんするなど、90年代から成長を続けてきた企業が軒並み調子を落としている。日本以上に輸出に依存していることで世界金融危機の影響を強く受けてしまった反省から、韓国政府は輸出依存の軽減を目指して内需振興策を打ち出したが、効果が出るには時間が必要で、世界景気の回復のタイミングが同国経済にも大きく影響しそうだ。韓国の経済規模は日本の約2割ほどなので回復に向かえば、景気が上向くスピードも速いと見られており、不況の真っ只中にある2009年をどう乗り切るか試練の時を迎えている。

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MONEYzine編集部[著]

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