中国でパソコン用のイスが突然爆発し、少年が死亡する事故が起きた。これを受けて、ネットでは驚きと恐怖の声が挙がっている。日本にも中国製のイスはかなり輸入されていて、事故が起きる可能性がないとはいえない。

1か月に3件もの爆発

   事故は2009年1月、中国の山東省で起きた。パソコン用のイスが突然爆発し、座っていた14歳の少年は肛門にイスのパーツや棒が刺さり病院へ搬送されたが、出血多量で死亡した。爆発したのは「ガス圧式」のイス。一般的な、座面をガスの圧力で上下に調節するタイプのものだった。この事故を報じた中国「星州日報」には爆発したイスの写真が載っている。座面のカバーが爆発でひどく破れ、少年が座っていた座面の内部から部品が飛び出してきたように見える。

   少年が搬送された病院には、イス爆発によるでん部のケガを負った人が1か月に3件も運ばれてきたという。

   この事故を受けて、日本のネット上にも波紋が広がっている。「マジ怖い」、「これほど身近で起こり得る恐ろしい事故ってないんじゃね?」、「中古で買った安椅子だから心配」(2ちゃんねる)など、安全性を懸念するカキコミが多数目立っている。

札幌市のネットカフェで破裂事故起きていた

   実は日本でもこのような事故は起きていた。08年10月、北海道札幌市のネットカフェで、イスの高さを調整する装置が破裂し、座っていた男性が軽いケガをした、というものだ。このイスも「ガス圧式」。ネットカフェを運営する会社は、

「原因についてはまだ調査中ということですが、海外の製品だったというこ

とで、現在は国内製のイスに取り替えています」

と、J-CASTニュースの取材に対し回答した。

   中国からイスを輸入・販売している企業に複数問い合わせてみたところ、事故を受けて現地へ調査依頼を出しているが、詳しい原因は分からないという。

「輸入商社の話では、中国の一部地域で3件爆発が起きていることから、中国内部向けに製造された検査の甘いイスだったのでは、と指摘がありました」

と回答する企業もあった。

   ただ、現在国内で販売されるイスには中国、台湾や東南アジアで製造されたものも多いという。海外製のイスは安全なのか。前出の国内企業は、

「海外の提携工場については定期的に検査基準以上の強度試験や機能検査を繰り返し行っており、また現地の工場へ国内の専門家に訪問させ、品質体制をしっかりと確認しています」

と話す。他の企業についても同様の回答で、「問題がないと確信している」ということだった。

   現在までに、国民生活センター・危害情報室には「イスの爆発・破裂」といった申し出は寄せられていないという。

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