フランスの王者リヨンが、24日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント初戦で現在スペイン・リーグの首位を独走するバルセロナと対戦、序盤にジュニーニョのフリーキックで先制したものの、後半アンリのゴールで追いつかれ1―1で引き分けた。勝負は3月11日の第2戦に持ち込まれるが、アウェイでゴールをあげたバルセロナに有利な展開となる。

 試合前、メッシに「世界一のフリーキッカー」と警戒されたジュニーニョは、相手ゴールの左サイドネットに吸い込まれた先制ゴールについて「もちろん直接狙った。ボールが思いのほか高く上がったが、よく落ちた」とレキップ紙に振り返った。しかし試合全体については、早い段階で追加点を奪えなかったことを悔やんでいる。「前半にチャンスはあった。1―1と2―0ではまったく違う。これでバルサはいっそう有利になった」と語る。

 リヨンにとっては厳しい状況となったが、ジュニーニョは「欧州最高のチーム」を相手に善戦した手応えを感じている。「試合内容から見て、引き分けは妥当な結果。ただ、バルサはテクニックで勝ることを存分に示したし、僕にとって印象的だったのは、ボールをもっていないときの動きだ。近代サッカーではこの点がモノを言う。ボールを失ったら、全員でとりに行く。これがバルセロナにあってリヨンに欠けていたところだ」と相手を称えるとともに、自陣の反省点を指摘した。

 3年前のリヨンはそれができていたと振り返るジュニーニョ。たしかにそのときは“勝てる”チームにいたという自覚からか、準々決勝でPSVに敗れ悔し涙を流したシーンが印象的だった。今回は34歳のジュニーニョにとって最後のCLになるかも知れないにもかかわらず、試合後はあくまで冷静。「あと2週間、できることをする」と第2戦に向けチームが改善すべき点を現実的に見つめ直している。「ロストボールをとりに行く姿勢、ラストパスからフィニッシュへの動き」、経験豊富な主将が敵から学んだこれらのポイントを次戦に生かせるかが、リヨンのベスト8進出のカギを握りそうだ。