頑張れしょこたん!
理系離れが伝えられる一方で、科学の面白さを伝える情報番組が大流行だという。わかりやすく楽しく、かつ正確に研究の内容を伝えることに、番組制作者は力を注ぐ。今回は「中川翔子のG(ギザ)サイエンス!」「サイエンスZERO」の白熱する制作現場を取材した。

■女性タレントの登用で、科学技術をもっとわかりやすく
 最先端の科学や技術の研究テーマや研究成果を、一般の人にわかりやすく伝えることがいかに難しいか。それは番組制作者だけでなく、エンジニアも、日々感じている問題だ。そこで登場するのが、番組進行役の女性タレントの存在。彼女たちは一般視聴者の代表。まずは目の前の彼女たちに理解してもらい、かつ驚かせなければ、研究の意義を世間に広めることはできない。科学情報番組では、こうした視聴者の視点や理解度を重視する。

 今回取材したニッポン放送「中川翔子のG(ギザ)サイエンス!」のしょこたんこと中川翔子さん、NHK教育テレビ「サイエンスZERO」の安めぐみさんも番組を通して次第に科学に明るくなっていったという。その成長の軌跡を共有することで、番組は多くのファンを獲得することにもなる。今回はエンジニアにも人気の二つの番組を紹介しよう。

■完全理系番組──中川翔子のG(ギザ)サイエンス
中川翔子のG(ギザ)サイエンス!
 歌手、漫画家、ブロガーでも知られるマルチタレント、「しょこたん」こと中川翔子がパーソナリティを務めるニッポン放送のラジオ番組。時は2058年。某研究所の研究員の一人であるしょこたんが、タイムマシンに乗って50年前の日本に戻り、当時の最先端研究に従事する若手研究者の話を聞くというのがストーリーだ。

■ギザ、ギガント連発で若手研究者のテーマを引き出す
 有楽町のニッポン放送スタジオでは、4月4日放送分の収録の真っ最中だ。
 憧れのアイドルを前に「ギザ」緊張しているのは、早稲田大学大学院長谷部研究室に属する3名の修士課程の院生たち。この研究室が開発した高精度ガンマ線分光計は、日本発の大型月探査衛星「かぐや」に搭載され、月面の化学組成に関する貴重なデータを地球に送り続けている。

「月って何からできているの?」
「月の隕石を調べているっていうけど、それで何がわかるの?」
「3人はやっぱり月に行きたいと思いますか?
 矢継ぎ早のしょこたんの質問に、ときおりしどろもどろになりながらも一生懸命に答える3人。番組スタッフが事前取材を重ね、おおよその台本はできているものの、しょこたんとの質疑応答はぶっつけ本番だ。

 ブースの外には長谷部研究室の学友らが見守っていて、ギザ、ギガントなど「しょこたん語」連発の絶妙なツッコミに、爆笑の渦。それでも3人は、小さいときからの宇宙への夢や、開発過程の苦労を語り、将来は「月に人を送る計画に従事したい」とか「新技術開発でノーベル賞をめざします」とか言い切る。最後はお約束の質問。「みなさん、いま恋人いる?」には、3人のうち1人だけがイエスと答えた。最先端研究に従事する学生というより、ふつうの若者の表情に戻る一瞬だ。

 07年秋の番組開始以来、登場したのは東大、東工大、早稲田、慶應、筑波など関東の大学の理系研究者の卵たち。研究テーマは「深海大循環」から「ヒューマノイドロボット」「グリーンケミストリー」「フォトニクスポリマー」まで幅広く、かつ最先端のものばかりだ。
 しょこたんはどこまで理解できたのか、というのが素朴な疑問だが、番組関係者によると「彼女はふだんから科学雑誌を読んでいたりするぐらいで、科学への関心は強い。専門的なことはわからなくても、若手科学技術者の情熱は十分感じ取っているはず」とのこと。

■単独スポンサー京セラ「理系学生を応援したい」
 京セラは番組当初からの単独スポンサー。日経サイエンス誌ともメディアミックスのタイアップを行っていて、同誌にも研究室の研究内容が紹介されている。
「登場していただく研究室は京セラの事業と直接関係のないものもあるが、ひたむきにテーマに取り組む学生たちを応援したい」というのは、番組収録を見守っていた同社広報室の井上仁氏だ。

 しょこたん効果もあり、深夜帯の科学系番組にしては大変注目を集めており、中高生からのメールの反響も高い。4月からは番組ネットを関西、九州にも拡大することになった。注目を集める最先端研究者が登場する番組はあるが、その下で実験に取り組む現役理系学生が自らの口で研究テーマを語るような番組は意外と少ない。中高生にも絶大な人気を誇るしょこたんの登用で、若者の科学への興味をかきたてる。……≫続きはこちら


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