副業を認める企業も続出 経営者よ、今こそ笑ってクビを切れ

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 クビになった社員の収入がアップし、企業は経費を削減でき、そして株主が目を光らせる株価も下がらない。そんな、社員も企業も株主もハッピーになれる大不況を乗り切る究極の経営術が、ここにあった。(バックナンバーはこちら

■急激な赤字減益による賃金カット、人員整理をする企業が続出

「昨年10月まではまだよかったんです。それが11月の半ば頃から急変しました」 高い収益率を誇る世界的な精密小型モーターメーカー、日本電産の永守重信社長は続けて、

「欧米の会社からキャンセルや注文の延期が殺到したのです。通常欧米の企業は12月決算なので、期末にあたってキャッシュを持っておきたいという方針のようです。12月にはいると、今度は国内企業からのキャンセルが相次ぎました。当社の主力商品のモーターは、電機や自動車、産業用機器などあらゆる分野で使用されるのですが、パタッと注文が止まりましたね」と語った。

 堅実経営でどんな不況時にも必ず利益を計上してきた超優良企業も、今回のショックだけは、なかなか厳しいらしい。800社を超えるという普段の納入先から、任天堂を除いてすべて注文留めの状態なのだ。これまでの不況時にはどんなに悪くても、2〜3割の売上げ減で経緯してきたが、今回はなんと5割減、つまり売上げが半減したということである。

 しかしこうした逆境にあっても、「正社員の雇用は絶対守りたい。営業損益段階では赤字にしたくないが、もし赤字になりそうなら、ワークシェアリングをしても雇用を守ります」と、ユニークな経営者としてもマスコミによく登場する永森社長は断言した。

 また、トヨタも国内工場で2〜3月に賃金を一部カットする「完全休業日」の設定を検討していることについて、「ある意味で、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)的な働き方として進めている」との考えを明らかにした。

 日産自動車は、2009年度中に国内・海外合わせた人員を2万人削減し、人員数は23万5000人から21万5000人に減ることになった。ホンダも、2月から管理職約4800人を対象に月給を約5%削減する。管理職の人件費を削減することで業績悪化を食い止めたい考えで、すでに役員報酬は今年1月から10%削減している。

 ソニーは、2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)が2600億円の赤字(前期は4752億円の黒字)になる見通しで、営業赤字は14年ぶりになる。2008年10月時点では2000億円の黒字を予想していたが、年末にかけ世界的にデジタル製品の販売が急減速したことを受けて、全世界で1万6000人以上の人員削減を発表した。

 東芝も業績が悪化しており、2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)は2800億円規模の赤字(前期は2380億円の黒字)になる可能性が高い。従来予想は1500億円の黒字だったが、メモリー市況の悪化などで主力の半導体部門が2000億円を超える赤字になる見通しだ。

■これもワークシェアリング? 副業を認める企業が続出

 そんな中で、大手製造業を中心に、これまでタブーとされてきた社員の副業を認める企業が相次いでいる。不況で働く時間が短くなることで、減った給料分を社員が他で補えるようにするためだ。(次ページへ続く)


橘 尚人[著]

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