英国を騒然とさせた13歳の少年と15歳の少女による出産。英国では16歳未満の結婚が認められていないものの、警察や議会は支持を表明している。しかし、あまりにも若過ぎる夫婦の誕生に国内外から批判が噴出しており、英野党・保守党のデービッド・キャメロン党首は「彼らが信頼できる両親に成長することを望む。しかし、彼らがいま直面しているのは“親たること”ではないのが実情だろう」とのコメントを発表。また、ゴードン・ブラウン英首相も「国民すべてが10代での妊娠を避けたいと思っただろう」と今回の件に言及した。

報道から一夜明け、英紙サンは電子版に新たな写真を掲載。「13才の父」となったアルフィー・パットンくんが生まれたばかりのメイジー・ロクサーヌちゃんを抱えつつ、「15才の母」シャンテル・ステッドマンさんとともにプレイステーションで遊ぶ姿が映し出されている。ただ、遊んでいるゲームが対象年齢18歳以上の「Saints Row 2」であることが物議をかもしそうだ。

その一方で、初期報道から批判的な論調だった英紙デイリー・メールは、アルフィーくんがメイジーちゃんの父親ではない可能性を報じている。

デイリー・メール紙は、シャンテルさんの近所に住む若者たちの証言を掲載しているが、それは「シャンテルはかなりの数のボーイフレンドと付き合っていた。彼らが彼女の家に泊まっても、両親は注意しなかったんだ」「彼女は多くの男性を知っていて、1人のボーイフレンドと長く付き合うことはなかった」など、シャンテルさんの奔放な男性関係に示唆するものばかり。証言者の1人は「アルフィーは父親だと思い込んでいるようだけど、近所のみんなはDNA鑑定したほうがいいって言ってるよ」と述べている。

これに対し、シャンテルさんの母ペニーさんはサン紙に「彼らはゴミよ。シャンテルはアルフィーによって処女を失ったの」と反論。しかし、ペニーさんらはアルフィーくんとの交際は黙認していたようで、シャンテルさんはピルを服用していたことを明言している。

一方、アルフィーくんの複雑な家庭環境も明らかになった。父デニスさんは2度離婚しており、アルフィーくんが11歳だった2年前、19歳の女性と駆け落ちしている。アルフィーくんの母ニコラさんは、前妻の娘2人とともにアルフィーくんを1人で育ててきたが、デニスさんが家庭を捨て若い女性と逃げたことに相当なショックを受けたという。

アルフィーくんの異母姉ニコルさんは、サン紙に「アルフィーがシャンテルを妊娠させたことは、父が原因だと思う。父が去ったとき、家族はバラバラになった」と怒りのコメントを寄せた。さらに、アルフィーくんの19歳になる姉ジェイドさんが、13歳のときに赤ちゃんがいたとの情報も出ている。

また、メイジーちゃんを引き取ったステッドマン家は、母ペニーさんやシャンテルさん、そのほか5人の兄弟を支える父スティーブさんが失業中であることがすでに報じられている。家族は公営住宅に住み、生活保護を受けているようで、出費が増加することに心配の声が寄せられていた。

デイリー・メール紙によると、シャンテルさんが法的に出産が認められる16歳になる前でも母ペニーさん名義で週568.75ポンド(約7万5000円)、年2万9,575ポンド(約390万円)の控除や手当てが受け取れるという。しかし、こうした点にも批判が上がっており、アルフィーくんの父デニスさんすらも、同紙に「アルフィーは両親が援助してくれると思っている。みんながお金のことに言及すると、彼は目をそらす。そして、シャンテルも両親に依存している。これはおかしいことだ。彼らは自分たちに何が待ち受けているかを全く理解していない」と述べている。