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【新春インタビュー】藤口光紀代表「新生レッズのスタートの年としなければならない」

【新春インタビュー】藤口光紀代表「新生レッズのスタートの年としなければならない」

インタビュー・文●島崎英純
写真●兼子愼一郎、足立雅史

「浦和レッズマガジン2月号(2月12日発売)より」

2001年にJ1へ復帰して以来、右肩上がりの成長曲線を描いてきた。それだけに、昨年の失意は大きかった。リーグ奪還もアジア連覇も泡と消え、6年ぶりの無冠。結果だけでなく内容面でも、確固たるレッズスタイルをピッチで表現できなかった。闇を体験すればこそ、光のまぶしさがなお一層に感じられるもの。新年を迎え、いかなるビジョンを描いているのかを藤口代表に伺った。


成長したかった面が望んだものとは違ったのは確か

――まず、2008年シーズンを振り返っていただきたいのですが、藤口代表ご自身の評価をお聞かせください。

「2008年シーズンに入るにあたって、2007年シーズンをホルガー・オジェックの下で戦ってきて、リーグは惜しくもタイトルに手が届かなかったのですが、ACLではアジアナンバーワンになり、クラブW杯で3位になりました。その上で、もちろん2008年シーズンにあたってはさらに上を目指そうという心積もりでした。これまでレッズはタイトルと無縁な時代からタイトルへの欲求を高め、ナビスコ、天皇杯、リーグと着実に結果を残し、一昨年はアジア制覇を果たしたわけです。それは一つの実績であります。そこで2008年シーズンは、タイトル奪取はもちろん、内容面でも向上を図りたいという気持ちが高まったのです。2007年のアジア制覇は強固な守備基盤が原動力でした。それはオジェックの下で確立した成果です。ただ今後はもっとアグレッシブなサッカーを目指そうと。それが進化の過程としてのプラスアルファとして求めたところでした。また当然監督も『それで行こう』という指針を持ってくれてスタートをしたのです。しかし開幕前にチーム内のコミュニケーション、気力の問題でチグハグさがあって、2試合で監督交代をする結果になりました。これはクラブとしても苦渋の決断でした。目指す方向とはあまりにもかけ離れた状態、これではチームが崩壊してしまうのではないかという危険性があったのです。その後ゲルト(エンゲルス)に監督が代わって、攻撃的なサッカーを目指そうと再始動しました。ゲルトは若手選手を積極的に起用したり、闘莉王を攻撃的なポジションにコンバートするなど非常に新鮮な風を吹き込んで、一時はリーグでトップに立つなど最悪な状態からは免れることに成功しました。ただトップに立った後、全体的に守りに入るような姿勢が見られるようになりました。それが夏場以降に表れてきて、停滞感が見られたのは確かです。またACLではクウェートのアル・カディシアを撃破し、ガンバと準決勝を戦いましたが敗退してしまいました。ここで一つの目標が失われた。リーグでの停滞感をACLでは切り替えてほしかったのですができなかった。その要因としては、やはりチームに確固たるベースがなかったのかなということです。メンバーを代えながらチーム力を高めようと模索していたとは思うのですが、一昨年まで基盤としてきた守備の強さを失ってしまった。攻撃性を高めようとした結果、逆作用になってしまったのです。新たな武器を取り入れるために備えていた武器も捨ててしまいバランスを崩してしまった。サッカーはバランスを崩すと脆い。シーズンの後半に入ると自分たちのスタイルを見いだせずに苦悩してしまった。それがリーグ最終節の結果に表れたのではないかと感じています」

――オジェック監督、エンゲルス監督が実践したサッカーは藤口代表が思い描いていた理想のサッカーとはかけ離れていたということでしょうか。

「オジェックの2007年はステディーなサッカーで、しっかりと結果も残しました。それは評価しています。ただプラスアルファで成長したかった面が望んだものとは違ったのは確かです。それはキャンプなどを見ても不安点として感じたところでした」

――オジェック監督の場合は開幕2試合での解任でしたので、サッカースタイルとは別の次元での……。

「はい。それ以前の、チームマネジメントの問題です」

――エンゲルス監督については就任時に期待感を持っていたと思うのですが、シーズンを通して評価した結果、一つの結論を下したということですね。

「次のシーズンに向けて、これからの浦和レッズの将来を考えた上では、このままではいけない。レッズスタイル、浦和レッズのサッカーを築けない。そう判断したのです」――昨今の浦和レッズは事業部門に関しては収益を伸ばし好況でした。しかし今回、チーム成績が落ちることでタイトル賞金やスポンサー減など、収益が落ちてしまう事態に直面しています。そのリスクについてはどうお考えですか。

「プロサッカークラブはトップチームが輝くか、輝かないかで大きな差が生まれます。昨今は常に何かのタイトルを獲得してきました。つまり最近はトップチームに頼りながらクラブが突き進んできたわけです。しかし昨年の厳しいシーズンを経験して、トップチームが輝かないとこれほどダメージを受けるのかということを痛感しました。強くて魅力あるチームを実践できないとクラブ経営に大きく響く。それが証明されたシーズンだったと言えます。だからこそ2009年はしっかりとしたチームづくり、レッズスタイル、哲学を持ったチームづくりで腰を落ち着けて進めていくことが絶対必要であると感じたのです。これまでは急いだ、焦ったといいますか、何事にも『勝ちたい』という気持ちが先行していました。そして外から選手を取ってきて強化を図ってきました。しかし、それには限界がある。そこで2002年から下部組織を充実させ、環境整備をし、2008年シーズンは育成の強化も目標に掲げました。そしてユースは2008年の高円宮杯全日本ユースで優勝し、その試合内容も評価できる次元まで高めることができました。これは6年間の成果として表れた事項です。そのように、せっかく積み重ねてきたものがあるのだから、それをトップチームに直結させなければならない。何年かかるか分かりませんが、いずれはユースで育成された選手がトップチームの主力として活躍する。それにプラスアルファとして外からの優秀な人材が加わる。それがレッズスタイル確立の近道であるだろうと考えています。2009年シーズンは新生レッズのスタートの年としなければならないと思います」
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