“柱の男”を倒した「ジョセフ・ジョースター」は師であり母である「エリザベス・ジョースター(リサリサ)」の侍女として仕えていた「スージーQ」と結婚。そうしてできた娘は日本へ嫁ぎ、男の子を生み育てていた。ジョセフの孫にあたるこの男の子こそ「空条承太郎」、「ジョジョの奇妙な冒険」第3部「スターダストクルセイダース」の主人公である。

 承太郎が悪霊にとりつかれたと聞いて日本へかけつけたジョセフは、その異変が自らも身につけている能力“幽波紋(スタンド)”によるものだと看破。直後、ジョセフの娘であり承太郎の母である「空条ホリィ」が謎の病に倒れた。その原因がジョセフの祖父「ジョナサン・ジョースター」が滅したはずの「DIO(ディオ・ブランドー)」にあると知り、承太郎とジョセフは避けがたい戦いの渦へ身を投じる。

 ジョナサンの時代から100年の時を経て、再びジョースター一族とディオの戦いの火蓋が切られた。承太郎とジョセフは、やはりスタンド使いである占い師「モハメド・アヴドゥル」、承太郎と同じ学校に通う「花京院典明」とともにディオのいるエジプトをめざす。彼らはさらに「ジャン=ピエール・ポルナレフ」、「イギー」という心強い味方を得、絆を深めながらディオに迫っていく。

 第3部は第1部「ファントムブラッド」や第2部「戦闘潮流」に比べて非常にシンプルだ。守るべきもののために主人公が敵に立ち向かうという構図は同様であるが、“石仮面”や“波紋”といった複雑な設定が織り込まれているモチーフを切り捨てる(一部ジョセフが波紋を使う場面はあるが)ことで純粋な動機と目的が浮き彫りとなっている。そんなシンプルな骨子に肉付けをしているのがスタンド能力、今後長らくジョジョシリーズの根幹をなすモチーフだ。

 第3部ではスタンドのお披露目とばかりにあまたの戦いがくり広げられる。従来の肉弾戦とは一線を画すスタンドでの戦いで描き出されているのは、かならずしも強者が勝者ではないというリアル。現実にはありえない奇妙な能力により、読者は現実を突きつけられるのだ。

 第3部はコミックスにするとおよそ16巻分のボリュームでありながら、そのほとんどが戦闘にあてられている。1人敵を倒すとまた次、といったように、ディオの差し向けたスタンド使いが承太郎らに波状攻撃を仕掛けてくるのだ。それに伴い数々の名場面や名台詞が流星のごとく誕生し、消えていく。ファンならば誰しもが自分なりのベストバウトを胸に秘めているであろう。ちなみに私のそれはイギーvs「ペットショップ」の動物大決戦だ。

 名台詞としては承太郎の『やれやれだぜ』やポルナレフの『ありのまま今起こった事を話すぜ』が有名だが、その他にも『正義(ジャスティス)は勝つ』、『もしかしてオラオラですかーッ!?』などプチ名台詞がてんこ盛り。そんな中、興味深いものを見つけた。コミックス15巻139ページ、承太郎がスタンド「黄の節制(イエローテンパランス)」との戦いで下劣な敵に呆れて発した一言だ。

『何も言えねえ』

 なんと、作者である荒木飛呂彦氏は昨年の流行語にもなったこの台詞を20年近くも前に作中に登場させていた。だからなんだと言われればそれまでだが、これを見つけた時は思わず頬がゆるんでしまった。世の移り変わりとともに、完成された作品の中で新たな名台詞が生まれたのだ。

 さて、ディオとの戦いは承太郎の代で終止符を打ったわけだが、奇妙なジョジョワールドはいまだ終焉を迎えていない。第4部「ダイヤモンドは砕けない」以降についてはまた機会があれば筆を取らせていただこうと思う。

(編集部:三浦ヨーコ)


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