「ジョジョの奇妙な冒険」は2世紀以上にも渡る「ジョースター」一族と「ディオ」との因縁を描いた漫画作品。そのすべての始まりは第1部「ファントムブラッド」にある。

 舞台は19世紀のイギリス。主人公の「ジョナサン・ジョースター」(以後ジョジョ)は名門ジョースター家に生まれた高潔な少年だった。そんなジョジョの日常に“侵略”してきたのが父の恩人の息子だという「ディオ・ブランドー」。ディオは育ちこそ貧しかったが、持ち合わせた一種独特の魅力により周囲の人間をとりこにしていく。

 ディオの本当の目的はジョースター家を乗っ取ること。その布石としてジョジョを孤立させるため、ジョジョが大切にしていたものを奪い取っていく。理不尽な暴挙にジョジョは怒りをあらわにするが、周囲の理解を得ることはできなかった。

 7年後、ジョジョとディオはうわべだけの友情を取り繕うようになっていた。同じ大学に通いまるで兄弟のように振舞うも、ジョジョは少年時代のわだかまりを、ディオはジョースター家に対する野心をそれぞれ隠し持っている。そんなある日、ジョジョはディオが父を殺すために薬と偽り毒を飲ませていることを知った。

 ジョジョは確たる証拠をつかむために“食屍鬼街(オウガーストリート)”へ旅立ち、「ロバート・E・O・スピードワゴン」の手引きで首尾よく目的を遂げる。しかしその隙にディオはジョジョが研究していた“石仮面”の秘密を知り、これを使ってディオを亡き者にしようと企てていた。

 戻ってきたジョジョに証拠を突きつけられて窮地に立たされたディオは、件の石仮面の力を借りて吸血鬼となり、ジョジョに襲いかかる。人智を超えた戦いの末、ジョジョは辛くも勝利。重傷を負って死線をさまようジョジョを看護したのは、ディオにより引き裂かれた初恋の少女「エリナ・ペンドルトン」だった。

 意識を取り戻したジョジョはエリナと再会。幸せな日常を取り戻したかに見えたが、「ウィル・A・ツェペリ」なる人物からディオが生きていると聞かされる。ジョジョは今度こそディオを倒すためにツェペリから“波紋”を学び、修行を重ねつつディオのもとをめざした。絶えずディオの手の者に狙われている道中だったが、彼らと戦うことでジョジョは波紋の技を会得していく。ツェペリが志半ばで命を落とすも、その同志「ストレイツォ」らとともにジョジョは再びディオと相見えた。

 いくらネタバレ上等の企画でも、結末を書いてしまうのはさすがにためらわれる。ジョジョとディオの戦いの顛末はぜひ自身の目で確かめていただきたい。

 第1部のあらすじをざっと説明したが、読んだことがない人にとっては意外に感じられたであろう。貧しさゆえに野心にあふれた人物が裕福な家庭の乗っ取りを企てる、設定だけ見ればまるで昔の少女漫画か昼ドラのようだ。絵柄も現在の洗練されたものとは程遠い。しかし、この第1部を知らずしてジョジョを語るなどもってのほかだ。特に脈々と受け継がれるジョースター一族の高邁な精神については、第1部がもっとも高純度で描かれている。

 ところで、この作品は類まれな独特の世界観を持ち、名場面や名台詞、名擬態語にあふれていることは多くの人の知るところであろう。第1部に関しては“ズギュウゥゥゥン”、『UUURRRRYYY!!』、『ふるえるぞハート!』あたりがポイントだ。これらを押さえておくことは、今後ますます広く深く濃くなっていくジョジョワールドへの準備運動となる。しっかりと筋肉を伸ばし、体を温めてから第2部「戦闘潮流」の世界へ飛び込もう。

(編集部:三浦ヨーコ)


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