市川海老蔵(撮影:野原誠治)
 2月14日公開の映画「フェイク シティ ある男のルール」の特別試写会が4日、東京・汐留で行われ、特別ゲストとして歌舞伎俳優の市川海老蔵がトークショーを行った。

 主演のキアヌ・リーブスは正義のためなら手段を選ばず、壮絶な戦いに身を投じる刑事を熱演。過去には「マトリックス」シリーズ、「地球が静止する日」など感情を表に出さないクールな役柄を多く演じていたため、イメージを一転した演技に多くの注目が集まっている。

 キアヌ演じるラドロー刑事は「単独行動で犯人のアジトに立つ」、「捜査前にはウォッカのミニボトルをあおる」など数々の“男のルール”を持っており、絶対に曲げたくない己の信念にのっとって物語は進行していく。

 今回は、“男のルール”という副題にピッタリの男性ゲストということで市川海老蔵がトークショーに登場。普段の着物姿とは異なる、ジャケットにブーツというシックな装いに集まった女性ファンからは歓声が起こった。

 映画を観た感想を聞かれた海老蔵は、「最近のキアヌ作品は機械的なイメージが多かったので、それに比べてとてもかっこ良いと思いましたね。自分を曲げられない彼と、周囲との葛藤が上手く描かれていた」と絶賛。キアヌ作品についての思い出は「中3の頃付き合っていた彼女に『スピード』に出てきたキアヌが坊主でかっこいいから坊主にして!って頼まれて。その頃は長髪だったので断りましたけどね」と明かし、会場の笑いを誘っていた。

 2006年「出口のない海」で映画初主演を果たした海老蔵だが、また映画に出演したいか?という問いに対し、「映画は拝見する方が楽しいですね。歌舞伎の世界で生きていくのは運命ですから」と力強く回答。今年チャレンジしたいことについても、「昨年までは歌舞伎で色々と面白いことが出来たので、今年は踊り、三味線など初歩的な事を考え直し稽古していきたいです」と発表すると、歌舞伎に対する真っ直ぐな姿勢に自然と拍手がおこった。

 プライベートでの“自分のルール”について尋ねられると「自分に素直でいること、最初に感じたことを最後まで貫くことが大切です。何か問題があっても、葛藤しながら貫き通すというのは男の性ではないでしょうか」と話し、同じく“自分のルール”を貫き通すラドロー刑事に共感を持ったようだった。

 どういった男の生き様に憧れるか?と言う質問に対しては、「以前宮崎駿さんにお会いした時に“僕は映画の奴隷である”と話していて。そうやって1つのことを真っ直ぐやり続ける姿はとてもかっこいいと思いますね」と告白。

 最後に、この映画の魅力について「現代に生きていると、流されがちな人はたくさんいると思う。この映画の主人公が自分の信念に突き進む姿を今こそ見直すべきだと思います」語った。

 歌舞伎の世界に生きる海老蔵、映画の世界に生きるキアヌ、そして正義の道を貫くラドロー刑事。三者三様の生き方の中にも“自分の信念を貫き通す”精神は共通しているようだった。

 「フェイク シティ ある男のルール」は2月14日(土)より全国ロードショー。


「フェイク シティ ある男のルール」ストーリー

 「L.A.コンフィデンシャル」の原作者ジェームズ・エルロイが脚本を手がけたクライム・アクション。「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーブスが陰のあるクールな刑事を熱演。ロサンゼルス市警のラドロー(キアヌ・リーブス)は正義のためには手段を選ばず、闇の任務をこなしてきた。そんなある日、かつてのパートナーを目の前で殺され、犯人を取り逃してしまう。復讐を誓うラドローだったが、その事件の裏には巨大な悪が動いていた。

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