レイチのMMAレコードは、2006年のTUF4フィナーレでマーティン・カンプマンに敗れた一敗のみ。前に9連勝、後に5連勝を飾っており2006年には日本のMARSにも来日している

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4月18日(土・現地時間)カナダ・ケベック州モントリオールのベル・センターにおいてUFC97『REDEMPTION』の開催がズッファより発表された。

昨年4月に同所で行われた、UFC83『Serra vs St-Pierre 2』から約1年振りとなるカナダ大会。そのメインイベントは、その名の通りUFC世界ミドル級王者アンデウソン・シウバが、ターレス・レイチを迎え撃つ一戦だ。

王者アンデウソンにとって、昨年10月のUFC90で行われたパトリック・コーテ戦以来、半年ぶりの防衛戦の相手は、同じブラジル人のレイチとなった。

そのコーテ戦では、余裕を見せ過ぎたかのようなパフォーマンスが賛否両論となったものの、今もダナ・ホワイトから世界のパウンドフォーパウンドと評されており、試合内容は抜群の安定度を誇っている。

挑戦者レイチは、名門ノヴァウニオンに所属するグラップラーで、5連勝中と波に乗っている。まるで柔術衣を着ているかのような、タイトな寝技が特徴で、肩固めやチョークを得意としている。アンデウソン×コーテと同日に行われたドリュー・マックフィールズ戦では、マックフィールズの右腕を自らの右足で固定しながらチョークを極め、大きなインパクトを残している。

今やライト級やウェルター級に勝るとも劣らぬ混戦模様となりつつあるミドル級だが、UFC93のメインで勝利したダン・ヘンダーソンと、英国人マイケル・ビスピンが4月から放送が始まるTUFシーズン9のコーチに就任しており、シリーズの中継が終了した後に対戦することが決定しており、同大会でデニス・カーンを破り、ジワリと浮上したアラン・ベルチャー、さらには次回UFC95で、WECから転出してきたチェール・ソネンを迎えうつMMA無敗の“柔術セレブ”デミアン・マイア、日本の岡見勇信など、まさにスタック状態にある。

また、このカナダ大会では、チャック・リデルとマウリシオ・ショーグンによるライトヘビー級戦も決定している。2007年5月、ランペイジ・ジャクソンを相手に同級王座を失って以後、その戦績を1勝3敗と大きく負け越しているリデル。一方のショーグンは、UFC93でマーク・コールマンを破ってはいるものの、フラフラのコールマンを早い段階で仕留めることはできず、自らもガス欠を起こすなど精彩を欠く不安な復帰を印象付けた。

昨年末、王座がラシャド・エヴァンスへと移った同階級において、両者揃って生き残りを懸けた一戦ととなりそうだ。

この他にも、TUFシーズン8のベスト8で、当地を本拠としていたTKOで活躍していたクリジストフ・ソジンスキーが、元WEC世界ライトヘビー級王者=“戦火の英雄”ブライアン・スタンのUFCデビュー戦の対戦相手に抜擢された一戦や、リッチ・フランクリンらとミドル級王座を争ったデビッド・ロワゾーがエド・ハーマンと対戦するミドル級戦など、カナダ人ファイターが勢ぞろいする模様だ。

モントリオールのファンが最も期待するGSPの出場だが、1月31日にBJ・ペンを倒したばかりで、現時点で本人は出場、欠場に関してコメントを残していない。とはいっても、次期挑戦者と目されているチアゴ・ビッチブル・アウベスも、「挑戦は6月か7月になると思う」と非公式ながら発言していることからも、現実的にはありえないだろう。

なお、同大会には昨年の弘中邦佳に続き、日本から長南亮の出場も噂されている。

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