集英社は出荷を停止していた「ジョジョの奇妙な冒険」第3部の改訂版を発売することを発表した。時期はコンビニコミックの「ジャンプリミックス版」第3部最終巻が2月9日、ジャンプコミックス版13〜28巻と集英社コミック文庫版8〜17巻が2月中旬以降となっている。

 ジョジョ第3部の出荷が停止されたのは昨年の5月。事の発端は第3部の前半を映像化したOVAの中にコーランの一部が描かれていたことにある。それが適切ではないとの指摘を受けた集英社は真摯に受け止め、調査を開始。その結果、原作にはコーランこそ登場しないものの他にも不適切な表現があったと発表した。そしてムスリム(イスラーム教徒)に不快な思いをさせたとして件のOVAが収録されたDVDと、コミックス第3部すべての出荷を停止したのだ。

 宗教観念の薄い日本人にとってはこの顛末はややぴんと来ないが、集英社の対応は的確だったように思う。しかしながら、ジョジョという超大作の一部の出荷を停止することでけっして小さくはないダメージを受けたはずだ。しかもこの第3部はシリーズ通してコミックス100巻近くにもなる膨大なストーリーのターニングポイントとなっていて、第3部を飛ばして第4部を読んでしまうとまったく話がつながらないのだ。第3部の出荷停止は、集英社にとって苦渋の決断だったであろう。

 そしてあれから9ヶ月、いよいよ改訂版が発売される。このことで集英社の苦渋の決断は見事な大英断へと変貌を遂げた。

 ここ数年、漫画界を取り巻く環境は大きく変わってきた。漫画喫茶の普及やオンデマンド印刷の浸透、文庫版や廉価版の定番化などにより、過去の大作を改めて読みたいというニーズが増えているのだ。現在も連載中とはいえ、ジョジョもそのマーケットにおいて無視できない存在であることは間違いない。昨年5月以降、大人買いをしようと意気込んで本屋に出かけるも30冊近くがすっぽり抜けていた、などという失望感を味わった読者だっているであろう。なんらかの形で再び販売してほしいと願っていた読者すべての気持ちに集英社は応えたのだ。

 また、すでにオリジナルを持っているファンの食指も改訂版に動くことが考えられる。具体的にどこがどう改訂されたのか、絵の描きおろしはあるのか、その場合コミックスに収められている当時の絵柄と現在の絵柄の差異をどう処理しているのか、ファンにとっては気がかりなことであろう。改訂版の発売は一見も熱狂的ファンも取り込み、より多くの人に改めてジョジョの素晴らしさを知ってもらういい機会となるに違いない。

(編集部:三浦ヨーコ)


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【参照】
集英社 コミックニュースWeb